至高の靴職人〜関信義〜を読んで
最近、花粉症に悩まされ続けていますが皆さんはいかがでしょうか? 花粉症の良いところは、辛すぎて、他の悩みや辛い事が消し飛んでしまうことです。 花粉症のつらさにだけ集中出来るとことだと、良いように解釈。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ところで、久しぶりの書評です。 人が本を読むときは、必ず自分のためになる為の読書(それは面白かったり、興味ぶかかったり)と自分に置き換えて教訓にしたい時など様々な理由があると思います。今回の本は思いっきり教訓になりましたのでご紹介。 今回手に取った「至高の靴職人」という本は、子供の本を探しに行った時に偶然見つけ、中身も確認せずに購入してしまったものなのです。 つまり、読むまでどんな本か分からなかったのです。買う前の感覚としては、よくある料理人のサクセスストーリー的なものなのかな〜位にしか思っていませんでした。 平日の夜中に、それまで読んでいた本をベッドの中で読了し、まだ眠くないからと本棚の中から引っ張り出したのがこの本でした。 この本は、日本の中の靴職人の中では最高の評価を受けていた関信義さんの職人人生を書いた本でした。 本の始まりは、関信義さんが思うように靴が作れなくなった自分を省みて、引退を模索する所から始まります。その後、弟子に教え込む章、自分が靴職人への道を歩み、やがて指導しながらも自ら向上しよとする彼の生き方を章別に丁寧な描写で描かれています。 ・ 時は、戦争直後の靴不足の時代から、効率重視の機械化への時代へと流れます。多くの靴職人がオートメーション化の中、職を失い、廃業していきます。それでも関さんは、自分の腕1本で生きていくことを決意。一足上げて初めて工賃が発生する職人の世界。しかも品質が悪いと工賃が下がり、機械で作られた靴に取って代わられてしまう。 関さんは、とにかく品質が高い靴を作らないと生きていけないと肌で感じる。しかも数を多く作らないと生活が出来ない。彼は海外で流行の靴をばらし、研究し、工夫を加え、より高品質で美しい靴を沢山作れる技術を磨き続ける。晩年になってもその生き方は変わらず、いつしか日本を代表する靴職人になっていきます。 ・ この本は、働く多くの人々の手本になることは間違いありません。名誉や地位を考えず、自分のこれと決めた仕事をぶれずに切磋琢磨して邁進し、気がつけば名誉も地位も手に入れている。とにかく家族を養うために工夫を努力を続けてきた結果だというのが賞賛に値する人生ではないかと思うのです。 しかし、関さんは本中で、「いまだ満足する靴が作れていない。そのため、過去の自分の靴を見るのが恥ずかしいとまで書いてます。」 このタイプの人間は、自分の酔うことなく、満足しない人間なのでしょう。 仕事がない、お金がないと嘆く前に自分の足もとを見直した方が早道なのかもしれません。
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