フォードVSフェラーリ 伝説のルマン~黄金の`60年代 -自動車王たちの覇権争奪~
私が子どもの頃、父がフォードムスタングのオープンカーに乗っていたのが自慢でした。
ちょうどその頃のお話。
当たり前の話といえば、当たり前なのだけれども、自動車社会は、自動車レースで優勝すればそのメーカーの車の売り上げが上がるのだそうです。この本によれば。
とてもおもしろかったのは、フォードという車の販売目的のためにレースに優勝したいと思う会社とレースでの資金が必要なために車を販売しているフェラーリという構図がとてもユニーク。
どちらも目標はレース優勝なのだけれども、目的はそれぞれ別々。
フェラーリは純水に車を愛し、レースに勝ちたいと思うエンジニアによって構成されているために車の特性を熟知し、次々とレースに勝利していく。
しかし、フォードは会社の成功のための手段としてのレース優勝なので、車製造過程に車とは関係ない経営陣が首を突っ込んでくる。そのため予算の縛りや経験の差でレースには勝てない。
しかし、フォードがフェラーリの研究を始め、フェラーリらしさを獲得していくと、徐々に勝機が見え始め、フェラーリがスポンサーの事を考え始め、フォード的な考えを持ち始めると、勝機がだんだんと無くなっていく。
この本はすべての商売にも言えると思う。
歯科では、経営のことを考えれば、高い材料は使えないし、治療の事を考えれば自費治療以外にはない。保険治療中心の歯科医院に高い器材を購入すれば、経営が傾くし、自費中心の歯科医院が保険治療のような事をしていれば、患者の足は遠のく。
難しい問題は、遠い昔から形をかえ存在していたんだろうな。今後も。
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