歯科診療所で全身疾患の・・・
本日はデンタルトリビューン紙 2009年12月号よりお届けいたします。
◇歯科診療所で全身疾患のスクリーニング《米国》
歯科医師が全身の健康管理に深く関与することは、患者にとっても有益である。ニューヨーク大学歯学部(NYUCD)では「全身の健康管理も歯科医療従事者の責務とする」という理念のもと、独自の学生教育や看護学部との連携を行っていることを、10月5日付の同大学プレスリリースで報告した。
◇学生教育に、全身疾患の評価
歯科医院へ定期的に通院していても、プライマリ・ケア医とはあまり頻繁に会わない患者もいる。このようなケースにおいて、歯科医師は患者の全身の健康状態を観察し、重篤な疾患の徴候を発見し介入することが可能な立場にあるといえる。
例えば、患者が過度の口渇や空腹感、頻尿などを訴える場合、糖尿病の初期症状かもしれない。
NYUCDでは、学生教育の段階からこの理念を反映させ、学生は口腔疾患のみならず、全身疾患の評価法も学んでいる。
また、同大学では全身管理の一環として禁煙指導にも注力しており、患者にただ禁煙を勧めるだけではなく、禁煙治療のサポートまで行う。
昨年の春からは、学生と教員に対する教育プログラムとして、「臨床医のための禁煙治療介入の5A:質問(ASK)、助言(ADVISE)、評価(ASSESS)、支援(ASSIST)、経過観察の手配(ARRANGE)」が開始された。
◇看護との協力
2006年にNYUCD内に開設された看護学部診療所は、包括的な看護保険を行うために口腔衛生と全身の健康管理をリンクさせる重要な役割を担っている。
歯学部と看護学部が協力し、すべての患者は、全身と口腔、双方の健康管理に対応する総合健康管理センターを利用出来る。同センターは歯学部ロビー内という便利な場所にあり、がん検診やカウンセリング、人間ドックなど包括的なプライマリ・ヘルスケアを提供している。
さらに、同大学では歯科検診にも重篤な全身症状のリスク評価も組み入れるべきだとし、その実践に向けて、現在、歯科と看護とが協働で連携プログラムを立ち上げている。
最近のコメント