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2009年12月23日 (水)

割れ窓理論

今から10年近く前に『ボーンコレクター』という映画があったのを覚えていますか?9784163286600

ジェフリー・デービィー原作の『リンカーンライムシリーズ』の中のヒット作が映画になったのです。私は、彼の本のファンなので、映画もすごく楽しみにしていたのですが、実際は原作の良さがそがれた薄い中身になっていて、とても残念に思ったことを覚えています。

今、私は、彼の新作『ソウル・コレクター』を読んでいるのですが、その本の中に“割れ窓理論”のことが書かれていました。お恥ずかしながら始めて知った理論です。とても感銘を受けたので、その一節を抜粋。

サックスは壁の会社のロゴを見やった。「あのロゴの事ですが。灯台と窓。どんな意味が込められているんでしょう?」

「表向きの意味は単純ですよ。データを観測する、それだけです。ただ、もうひとつ意味があります。」スターリングは微笑んだ。説明する機会を与えられたことを喜んでいる。「社会哲学の割れ窓理論(ブロークンウィンドウ)という概念があることをご存じですか」

「いいえ」

「私は何年も前に知りましてね、ずっと頭に残っているんです。簡単に言ってしまえば、社会をよくしていきたいなら、小さな問題に集中すべきということです。小さな問題をコントロールすれば-あるいは解決すれば-より大きな変化が自然とついてくる。たとえば、公営団地で犯罪発生率が高いとされていますね。しかし、警察のパトロール回数を増やしたり、防犯カメラを設置したりする事に数百万ドル費やしたとしても、団地はやはり荒廃した危険な場所に代わりはないでしょう。そこで、数百万ドルを無駄ににする代わりに、数千ドルを支出して割れた窓を直し、外壁のペンキを塗り替え、廊下を掃除するわけです。表面的な変化に過ぎないかもしれませんが、住人は気づきます。自分が住んでいる場所に誇りを持つようになります。そして、要注意人物や、団地の資産価値を落とすような人物を見つけて通報するようになります。ご存じかと思いますが、ニューヨーク市が90年代に取った犯罪撲滅対策の骨子がこれでした。結果も見事についてきました」

まあ、なんてことのない理論ですが、実際初めから大きな事が出来る訳ではないので、小さいこと、自分が出来ることをコツコツとまじめに取り組むしかないわけで、それがまじめに生きるという意味でもあると思うのです。

仕事もまったく同じで、私の場合は、一人一人の患者さんを丁寧に治療していくことで大きな信頼や信用が生まれてくるのではないかと思ったりもしています。

本は時にこんな素敵なことを考えさせてくれます。

読書はこれだから止められません。とにかく数千円でお得感が一杯です。今夜中の3時なのですが、ふとブログが書きたくなった本の一節でした。

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大きな目線でじたばたして迷って失敗するより
自分の身の回りの小さな事を考えて、其の方が、楽。
 

by わいわいわい | 2009/12/23 11:27:16

9.11で話題になったジュリアーニ市長を思い出しました。ニューヨークを変えた割れ窓理論はスゴイ!


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