食事風景が変わった現代日本
本日は、吉野敏明先生の著書『再生医療で歯並びを治す』よりお届けいたします。
◇「サザエさん」のような大家族が減り、食事風景が変わった現代日本
え、普通に食事をしているって?
はい、先ほどの章(詳しくは吉野先生の著書を参考にしてください)で、噛み合わせに問題はないと思っていても、意外と正常とは違いましたよね。食事の仕方といっても、噛み方や飲み込み方ではありません。っこでいう食事の仕方とは、食べる環境や姿勢、誰と食事をどのようにしているか、しかもいつしているかです。
テレビでおなじみの『サザエさん』の食事風景を思い浮かべてみてください。サザエさん一家は、ちゃぶ台を全員で囲み、正座しています。
波平とフネ、マスオとサザエ、タラちゃんの3世代に、タラちゃんの叔父にあたるカツオや叔母のワカメもいます。おまけにペットの猫のタマまでいる、大人数での食事です。
子供達が学校で給食を取るとき以外は、家族みんなで食事をします。
当然、その日に何かがあったのかを皆が語り合い、ときには叱られたり、ときには褒められたりしながら、テレビや本を見ないで、いわんやゲームなどもしないで、食事をするのです。
実はほんの三十年くらい前までは、日本中がこのような光景でした。学生が下宿すると、賄いのおばさんや下宿先の女将さんがご飯を作ってくれ、一見、一人暮らしのようでも、みんなで食事をとるように出来ていたのです。
これは日本が誕生したときから、いや、われわれ日本人の先祖が農耕を始めたときから、何万年も続いてきたことなのでしょう。
さて、現代の日本人の平均世帯数は2.56人です。ひとり暮らしが約30%で、核家族が約52%(いずれも2002~2008年の国勢調査から)です。
1986年の調査では平均世帯人数は3.22人ですから、20年間に約2割も家族の人数が減ったことになります。
となると、そうでない世帯、つまり大家族で暮らしているサザエさん一家のような世帯は、サザエさんのテレビ放送が始まったとき(1967年くらい)はまだ平均的な家族像だったのでしょうが(ちなみに原作の漫画の連載開始は1946年だそうです)、現在では100-(30+52)=18%と、かなり特殊な形態になってしまっています。
さて、世帯人数が減ってくると、当然一人で食事をする回数が増えてきます。一人で食事をすると、どのようなことが起こってくるでしょうか?
現代の生活はとてもせわしくなっています。食事も出来るだけ短時間に栄養価や質の高いものをとろうとする傾向にあります。スティックタイプやゼリータイプで、「エネルギーとビタミンはばっちり」のようなものがコンビニや駅の売店でもよく売っています。
しかし、自動車レースの「給油」ではないのですから、エネルギーの補給だけでは本来いけないのです。特に、子供や赤ちゃんや乳幼児にとってこそ、この問題は「超」重要なのです。
参考文献 再生医療で歯並びを治す 吉野敏明 ディスカバー携書
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