大人は治療済みの歯に要注意
本日は、倉知ななえ先生の著書『きれいな歯をつくる 大人のためのデンタル・ブック』よりお届けいたします。
◇大人は治療済みの歯に要注意
あなたは子どもの頃、歯医者さんでむし歯を治療してもらった経験はありませんか?実は大人の場合、むし歯になるリスクがもっとも高いのが、その治療済みの歯なのです。
むし歯は、口の中にいる虫歯菌が作る酸によって、歯の表面のエナメル質が溶け出すことによって起こります。
子どもに多いむし歯は、健康なエナメル質の表面や隣接歯に穴があき、色が変わってくるので、よくチェックしていれば、比較的簡単に発見できます。
ところが、大人の場合は、昔のむし歯治療で入れた詰め物やかぶせ物のわきから少しずつ進んでいくため、口を開けたときに目に入りにくい部分から始まり、歯の中へ中へと進んで行きます。
これを二次カリエスといいますが、もしそれが神経を抜いてある歯であればどんなに進行しても痛みは感じません。しかも、詰め物や被せ物には変化がありません。
こうした状況のために、気づいた時には、かなり深くまでむし歯が進行していることが多いのです。
むし歯治療の際、健康保険が利く範囲で使われるプラスチック(レジン)の詰め物や金属の被せ物は、残念ながら、一度入れても一生ものではありません。どれくらいもつかは、その人の口の中の状態や毎日のケアの仕方などによって違いますが、寿命があるのです。
これら人工物が年月とともに傷んでくると歯との間にすきまができ、そこからむし歯が発生しやすくなります。歯と被せ物の収縮率の違いから、被せ物と歯の間にすき間ができ、そこからむし歯になる場合もあります。
詰め物やつらなった被せ物は、天然の歯に比べて、どうしても汚れがつきやすいという欠点があります。そのために、その周辺は健康な歯以上に、丁寧に清掃する必要があるのです。
「治療がすんだから大丈夫」という油断は大敵!あなたの詰め物、被せ物の周囲は大丈夫ですか?
参考文献 きれいな歯をつくる 大人のためのデンタル・ブック 倉知ななえ オーイズミ出版
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