外科の基本術式
先月末に、宇都宮へ研修会へ参加してきました。
この研修会は『これからインプラントを始めたい方の基本外科手技セミナー』というものです。共催は私の歯科医院でのインプラント治療を勧めてくれ、また、私自身にインプラントの手術をしていただいた石川先生です。
講師の先生は、自治医科大学口腔外科の土屋先生と、ノーベルバイオケア社インプラント講師の星野先生です。
今回の研修は、非常にためになりました。まず、口腔外科とインプラント外科では、同じ口腔内でも目的が違うため、考え方や術式が少しずつ違います。
しかし、口腔外科が無ければ、今のインプラント治療が発展したことはあり得ないことなので、共通する考え方も多いのです。
まずは、開業医で行う最大の外科手術とは何かという議題になり、やはり、下顎の親知らずの抜歯だろうということで、親知らず周辺の解剖や基本術式などを教わりました。
口腔外科は口の中の病気を取り、健康を回復していく医療です。インプラントは、健康な口腔内に歯を再建して、顎機能を回復させ、質の高い生活を目指す治療ですので、自ずと治療方針がことなります。口腔外科は、不良な部位を根こそぎ除去しますし、インプラントは出来るだけ体の部位を温存するのが目的です。
しかし、今回私が受講してみて、この親知らずの抜歯の技術が本当にインプラントの技術に重なることが多く、大きな驚きがありました。逆にいえば、親知らずの抜歯がきちんと出来ないのにインプラントのような高度な外科を行うべきではないということらしいです。
私は、今回、インプラントに関しては新たに勉強し直すところは少なかったのですが、口腔外科の親知らずの抜歯に関しては大いに学ぶべきところがありました。
今の術式的には問題ないのですが、抜歯後の粘膜の縫合の順番を今の縫合の順番と逆にするだけで、かなりの腫れや感染を防ぐことが出来るとしりました。
また、外科の土屋先生のお話ですが、世界的にも有名な外科の先生は、死ぬまで縫合に練習を欠かさないということでした。そのため、午後はインプラントや親知らずに関する縫合を中心に豚の顎骨を用い、練習しました。
私は、インプラントの縫合は今回はやらず、土屋先生ご指導のもと、親知らずの縫合をかなり練習させて頂きました。豚の顎骨もかなり豊富に用意されていて、豚の顎骨に練習するところが無くなると、新しい豚を用意してもらえて、非常に満足な実習になりました。
しかし、いつも思うのですが、石川先生は本当に研修会をもり立てるのが巧いです。彼のそばにいるだけで、とっても勉強したくなる。いつもそばで話を聞いていたくなる。不思議な人です。今回のこの研修も彼が企画したとのことですが、次ぎもあればまた参加したいです。基本は大事ですから。
帰りに縫合練習台を頂きました。ほんと、痛いところに手の届く研修会です。またお願いします。
帰りは、そうとう疲れていたのか、慣れているはずの宇都宮の町中で迷ってしまいました。同じ所を何度も走って、ぐったりしてしまいました。でも、郡山にはないGAPで娘の洋服を買い、おみやげに「みんみん」の餃子を買ったので家族には喜ばれた宇都宮でした。
最後に高速料金がこの日からETC車載の車は1000円になりましたが、ETCのない私の車はしっかり3000円でした。世の中は厳しい。
お仕事 お休みを返上しての研修への参加
お疲れ様ですが、なんとなく、ほんのりと、あったかい心になりました。