歯の健康、こんな誤解をしていませんか?
本日は、マガジンハウスから出版された「歯周病とインプラント 歯科治療、最後の選択!」よりお届けいたします。
◇歯の健康、こんな誤解をしていませんか?
★歯肉が腫れたけど、しばらくして治まったから大丈夫!
口の中には数百種類の細菌がいます。細菌の中にはむし歯や歯周病を起こす菌とともに免疫機能にかかわる善玉菌もいます。通常はバランスが保たれているのですが、口の中が清潔に保たれていなかったり、風邪や疲労で免疫力、抵抗力が落ちると、細菌のバランスが崩れ、歯肉が腫れることがあります。免疫力、抵抗力が回復すれば歯肉の腫れは治まりますが、プラークや歯石のたまったままであったり、病気などで体の免疫力、抵抗力が落ちると、一気に歯周病が悪化することも。症状が治まったからといって、歯周病が治ったと考えるのは間違いです。
★むし歯が無く、歯は健康。だから歯周病も大丈夫!
むし歯の原因菌と、歯周病の原因菌は異なります。口の中に歯周病菌の多い人もいれば、少ない人もいます。体質的にはむし歯菌に強い人、弱い人もいれば、歯周病菌に強い人、弱い人もいます。むし歯がないからといって歯周病になえない、とは限りません。
★毎食後、歯磨きをしているから大丈夫!
口の中にプラークの元となる食べかすを残さないためにも、毎食後の歯磨きは良いことです。とはいえ磨けばOKではありません。大切なのは磨き残しがないかどうか。きちんと磨けてないのに、歯磨き剤の爽快感で磨けたつもりになっていることもあります。
★歯周病を予防するという歯磨き剤を使っているから大丈夫!
歯周病を予防する歯磨き剤もいろいろあります。歯周病菌を殺菌する薬剤を配合していても、完全に菌をなくすことは出来ません。もし、そのような作用の強いものがあったとすれば、体にも悪影響を及ぼします。予防する歯磨き剤を使ったほうが、少しはプラスになる、という程度。重要なのは磨き方です。
★年に一回、歯医者さんで歯石を取ってもらっているから大丈夫!
歯科医院では歯石とりにどれくらい時間をかけているのでしょうか。すべての歯を行って一回数十分、であれば歯肉の上についている歯石を取っているだけかもしれません。歯肉溝の奥、見えないところにたまっている歯石は一本に10分かけても取り尽くせません。また、取るには麻酔が必要な場合も。四十歳で八割の人がかかっている歯周病。歯肉溝の奥に歯石が残っていないか調べることも必要でしょう。
★歯が抜けるのは老化だから仕方がない
歯が抜ける二大原因はむし歯と歯周病であり、老化(=自然現象)ではありません。高齢になると一度に食べられず、何回にも分けて食べるなど食事の回数が増えて、口の中が汚れた状態でいる時間が長くなりがち。また、歯がかけたり減ったりということもあり、むし歯や歯周病のリスクは高くなりますが、口の中をきれいに保ち、生活習慣病にも気を配ることによって年を重ねても自分の歯を残すことは可能です。
参考文献 歯周病とインプラント エグゼクティブのための歯科治療、産後の選択! 小野義弘 中村公雄 監修
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