オーラルヘルスプロモーションとは
本日は、千葉栄一先生の著書オーラルケアのためのアロマサイエンスよりお届けいたします。
オーラルヘルスプロモーションとは
ビジネスマンを対象としたある資料によれば、ニューヨークでは約9割以上の方が歯科の定期検診をうけています。内訳は5割の方が1年に1回健診を受け、3割の方が半年ごとの検診となっています。
一方我が国の東京では、2~3年に1度でも定期検診を行っていると、自己申告した人は4割に見たず、6割以上は定期検診の習慣自体が無いことになります。
ニューヨークが特殊なのではないかといった反論が出そうだけれど、カナダと日本の比較でも同様の数値差が生じているのです。北米と日本では、日本の方が歯科医療機関は多く、明らかに受診しやすい環境にはあります。
また歯科医のレベルに関しても劣ることは無いと胸をはれます。では北米と何が違うのでしょうか?その答えがヘルスプロモーションの差といえます。
ヘルスプロモーションとは、健康促進の直訳の他にも、自らの健康を管理(改善)するための一連の活動・運動を示します。一法としてオーラルヘルスプロモーションが位置づけられます。我が国では、歯周病や口臭を気にする方が多いですが、口臭が歯周病原因菌に起因していることや、その歯周病原因菌を中心とした口腔バイオフィルムが、心疾患、動脈硬化、誤嚥性肺炎、高齢者の発熱、糖尿病などの、全身疾患の危険因子であることは、ほとんど知られていません。
口腔内には約1,000種類もの菌が存在し、唾液と血液を介して全身の様々な疾患部から検出されています。
「健康な心と体は口腔から」と我々歯科関係者は機会あるごとに訴えていますが、我々の力不足もあり、残念ながら例に出した北米のように浸透していないのです。
参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一/新谷明義 共著 フレグランスジャーナル
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