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2008年2月12日 (火)

入れ歯にならないための秘訣

本日は、青山健一先生の著書「よくわかる家庭の歯学」からのお届けです。

入れ歯にならないための秘訣

☆磨く回数よりも磨く内容

「一日に何回もブラッシングをしているのに虫歯が出来てしまう。」とか「一日に何回磨けばいいのですか」といった質問を受けることがよくあります。

そういう質問に対する答えとして、たとえば家の掃除をするときに、一日中掃除機をかけたとしても、真ん中ばかりの掃除では、角のホコリや細かい汚れは取れません。

隅々まできれいにするためには、掃除機できれいにしにくい場合は、ぞうきんを使ったり補助的な細かい器具を使わなければなりません。

歯磨きも同じで、一日何回ブラッシングをしているという自己満足とか、歯磨き剤の爽快感を味わいたいのであれば、それはそれで結構ですが、虫歯や歯周病予防のために汚れを取り除きたいのであれば、回数が問題ではありません。一日一回だけでも十分な効果が期待できる場合もあります。

3分の適当な磨き方をするのなら、一日一回だけでも丁寧に細かい場所まで時間を掛けてきれいにする方が断然効果的です。

ブラッシングの回数や時間はあくまで目安であって、それが正しい方法なら時間をかけただけの効果はありますが、間違ったやり方では、いくら時間を掛けても意味がありません。

試験勉強であまり大切でないところを一生懸命勉強している人は、いくら勉強時間をかけても合格点がとれません。歯の磨き方もこれと同じで、歯の表面ばかりをきれいにしている人は、一日中磨いたとしても、虫歯と歯周病の予防には無意味なのです。

どこが試験に出やすい重要な部分なのかは、専門の先生に聞けばそのポイントを教えてくれます。これと同じで、どこに汚れがたまりやすいかは、歯科医師、歯科衛生士などの専門家に教えてもらうのが一番です。

☆食後にガムを噛むことの効果

食後にガムを噛むことは、虫歯や歯周病の予防のためにとても良いことです。それは食事中に口の中が酸性になり虫歯になりやすい環境であったのが、ガムを噛むことによって唾液が排出されて、口の中の酸性のph がより中性に近づくからです。

もちろんブラッシング出来る状況なら、その方がより効果的ですが、外出先などでブラシを持ち合わせていないときは、せめてガムを噛むことによって虫歯を予防しましょう。

その際は、キシリトール入りのガムでないと、逆に虫歯を促進してしまいます。それは後にアメをなめるにはいくら唾液が出てもアメの糖分が口の中を酸性状態にしてしまうのと同じで、糖分を含まないキシリトールのガムである必要があるのです。

☆虫歯予防とフッ素の関係

フッ素やキシリトールが虫歯予防に有効だということが、一般にも浸透してきました。しかし、欧米などの先進国に比べて十年以上遅れてやっと浸透したという感じです。

今まで、日本は虫歯後進国といわれ続けてきました。フッ素が虫歯予防に有効なことは、欧米などでの実績をみてわかってはいたのですが、多量のフッ素によって歯に白斑が出てきたり、大量に摂取すると体に良くないという考えで、厚生省はなかなかフッ素の導入に踏み切りませんでした。

それが時代の流れで、虫歯予防にフッ素が当然のように使われてきて、虫歯の患者さんは確実に減りました。

米国では、十人に一人は一本の虫歯もありません。虫歯の減っているのは明らかにフッ素の効果なのです。米国では水道水にフッ素を含ませてみたり、妊娠の時からフッ素のタブレットを飲んだりして、フッ素の摂取にとても積極的です。

☆フッ素効果の高め方

最近の歯磨き剤にはほとんどフッ素が入っています。フッ素は、歯の表面の再石灰化を促進し、初期の虫歯ならばフッ素によって治ってしまうのです。

口の中は、虫歯になろうとする酸(脱灰)と、それを治そうとするカルシウム(再石灰化)などが綱引きをしている状態です。

ただし、フッ素の働きを最大限に活用するためには、歯にフッ素を長く停滞させなければならず、歯磨きの粉の中に研磨剤などと一緒に入ったフッ素では、うがいをすることによってフッ素も流れ落ちてしまうので、フッ素の効果を最大限に求めるならば、フッ素だけの歯磨き粉で、それに応じた方法で使用しなければなりません。ですから使用上の注意などを歯科医院で聞いてから使用するほうが、より効果的でしょう。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房

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