和の薬膳2
昨日の続きで、宮田先生の著書よりお届けいたします。
体に良い食べ物はない
健康や美容に関する日本人の関心は年々、高まっているようですが、どうも一辺倒になってしまう傾向にあるように思われます。
たとえば、テレビの健康問題でブロッコリーがいいと放送されれば、その日のスーパーの野菜売り場ではブロッコリーが飛ぶように売れる。情報を流す側も、それを健康志向の現れとしてとらえています。
絶対に体に良いミラクルな食べ物など存在しません。取りすぎれば、栄養のバランスを崩しますし、体質的にみて向き不向きもあります。
私の医院に来られる患者さんで、健康に大変熱心な方がいます。そこそこ健康ではありますが、痩せ形で体力はそろほどではありません。もっと元気になりたいと思い、玄米食を始められたということです。しかし、始めたはいいものの、どうも体調が思わしくないということで薬膳指導に相談にこられました。
管理栄養士が問診をして、ご本人の体質を診ると消化吸収力が高くないようです。
玄米は硬く食物繊維が多いので、消化に負担がかかります。ある程度、胃腸が丈夫な人ならば、しっかり消化して栄養を取り込めますが、胃腸の弱い人だと胃腸を疲幣させてしまいます。
ニンニク、ショウガといった、昔からの滋養食材も同様です。ニンニクはアリシンやビタミンB群を多く含み、スタミナアップや殺菌作用に優れたパワー食材です。しかし、刺激成分が胃の粘膜に作用するので、胃の弱い人は胃炎の原因になることもあります。また、のぼせやすいタイプの人は、食べ過ぎると口内炎や貧血を起こしやすくなります。
ショウガも、体をポカポカと温めて冷え性の改善や消化吸収を高める効果がありますが、体温の高い人が過剰に取ると、のぼせや高血圧などの原因になります。
私たちの食べる毎日の食事が「薬膳」です。すべての食べ物には薬効があり、それをバランスよくいただくことが薬膳です。体によい食べ物を探し求めるのもよいことではありますが、一度立ち止まって自分の体質にあったものか、自分の体が必要とするものなのか、考えてみることが大切なのです。
参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社
身体に良いからと それだけ多く取らないように、
肝に命じています。
バランス良くなんですね。
うちの夫はニンニクがダメみたい。
「ニンニク=パワー全開!」じゃないんですよね。
体の言うことに耳を傾けたいと思います。