顎関節症1
歯が痛い、歯肉が痛いといった、明瞭な自覚症状を持って来院する患者さんの場合は、比較的診断名が付けやすいのです。
しかし、「右側の辺りが全体的に違和感がある」とか「噛んだ時だけ痛みがある」といった症状を訴えてくる患者さんの場合は、診断名を下すのが非常に困難です。
神経の病気でもなく、虫歯でもない場合が多いのです。
これは、闇雲に歯を削ったり、神経を抜いてしまったりしても解決しないことが多いのです。
なぜなら、噛み合わせが狂っているために痛みが出ている可能性があるからです。
この噛み合わせが狂ったまま、誤魔化し、誤魔化し生活していると、顎が自分の意志とは関係なく、いたくない方ばかりで噛む癖が付いてしまい、顎の付け根の「関節部」が壊れてしまうことがあります。
これが「顎関節症」と言われるものです。
歯科医学的に「顎関節症」の診断を下すには、顎関節の痛み、関節の周りの雑音、開口障害ないし顎の開け閉めがスムーズに出来ない等の中で少なくとも1つ以上を有する事が必要条件とされます。
しかし、現実に生活をしていて、感じる事は、
・食物を食べたり、話をした後に顎がだるい
・顎を動かすと痛い
・口を開け閉めすると音がする
といったことから始まる事が多いです。
顎関節症は、何らかの症状を持っている人も多いのに加えて、自覚症状のない人でも検査をしてみると約70%の人に以上が見つかります。
このうち、実際に医療機関を訪れて治療を受ける人は6~7%程度だと推定されていますが、将来的に顎関節症になる可能性のある「予備軍」はかなりの数に達すると考えられています。
患者さんの割合は、男性に比べて女性が2~4倍と多く、なかでも若い女性が中心です。年代別に見ると、20歳代が最も多く、30歳代をすぎると次第に減少します。
なぜ顎関節症が女性に多い理由として、女性の方が靱帯(じんたい)がやわらかく、顎関節の適合がしっかりしていないこと、さらに女性ホルモンとの関係などがあげられていますが、確実なことはまだよく分かっていません。
今日は潜在的に慢性化している顎関節症の自己診断をしてみましょう。次の10項目についてチェックしてみてください。
①食べ物を噛んだり、長い間しゃべったりすると、顎がだるく疲れる
②顎を動かすと痛みがあり、口を開閉すると、特に痛みを感じる
③耳の前やこめかみ、頬(ほお)に痛みを感じる
④大きなあくび、リンゴの丸かじりが出来ない
⑤時々、顎が引っ掛かるようになり、動かなくなることがある
⑥人差し指、中指、薬指の3本の指を縦に揃えて、口に入れることができない
⑦口を開閉したとき、耳の前の辺りで音がする
⑧最近、顎や頸部、頭などを打ったことがある
⑨最近、噛み合わせが変わった気がする
⑩頭痛や肩こりがよくする
このなかで、いくつか該当する項目があったひとは注意を要します。特に①~⑧の項目に当てはまるものが多い人は顎関節症が疑われます。
次は、予備軍と言われる人の生活習慣をチェックしてみましょう。
①「歯ぎしりをしている」と言われたことがある
②日中、気がつくと歯を食いしばっていることがある
③食事の時はいつも左右のどちらか決まった方で噛む
④いつもうつ伏せで寝ている
⑤頬杖(ほおずえ)をつく癖がある
⑥職場や家庭でストレスを感じる事が多い
⑦物事に対して神経質な面がある
⑧夜、ぐっすり眠れないことが多い
これらの項目はいかがでしたか?該当する数が多いほど、顎関節症を発症しやすいと言えます。
今後も、この顎関節症について定期的に書いていきたいと思います。
参考文献 顎関節症 あごが痛い、口が開かない NHK出版
私には 自己診断が2つ
予備軍2つです
危ないところでしようか。