通院が続かない患者さんのメンタル。
長年歯科医師をしていると、通院が続かない患者さんのメンタルは大体同じような状態の事が多いです。
ただ、これは真面目に通院しても歯の状態が悪い方のメンタルの話ではありません。きちんと通院している患者さんのメンタルは極めて健康的で、人間として見習う事が多く見受けられます。
初診の時には患者さんの口の中を精査させて頂き、治療計画を立てさせて貰います。
口腔の機能とは身体の体重や咀嚼力を支える能力の事を示します。歯や歯を支える歯肉の力が全身を支える状態に無い口腔内は悪化の状態となりやすいのです。
そのため、歯科の治療とは体重や咀嚼力を支える健全な噛み合わせと歯肉を構築する事になります。
ちょうど、土地をならしてそこに立派な家を建てる事に似ています。
ですから、状態の悪い口腔内は歯肉という土地をならして、歯列の乱れを取り、上下の歯列をしっかりとした歯(屋根)を取り付けるのです。
ですから、歯の治療期間は実際の家を建てるのと同じくらい時間がかかるのです。
そういった事を患者さんに説明すると、「仕事が忙しくて」「介護をしなければならない」「中々時間がとれない」といった事を聞くことになります。
これは一体どういうことなのかと考察すると、通院の続かない患者さんは『通院出来ない理由を探す天才』なのです。
メンタルの強い患者さんは真面目に通院し、半年くらいでさっさと治療を終了させてしまいますが、通院の続かない患者さんは何年も同じ言い訳を繰り返して、結局治らないか、長く時間が掛かってしまう事が多いという印象です。
まあ、私も自分の苦手な事は「出来ない理由」や「自分を正当化させる理由」をさがして言い訳ばかりしているので、人の事をいう資格はないのですけどね。
最近のコメント