村上レシピのサンドウィッチ
私が村上春樹さんの大ファンなのはこのブログでも公言している通りなのですが、彼の小説を読むととにかく空腹になってしまうのです。
小説の中で簡単に作れる料理が沢山出てきて、その料理がいかに素晴らしいものなのかを簡潔に説明してくれるのも読んでいてワクワクするのです。村上作品初期の「風の歌を聴け」ではとにかくビールが飲みたくなるし、スパゲッティー(決してパスタとは言わないのです)も茹でたくなる(塩を適度に)。
で、私が学生時代、村上さんの小説の中に出てきてもので良く作った物はサンドウィッチでした。
お金が無いときは「ハムとキュウリとチーズのサンドウィッチ」です。これは「世界の終わりとハードボ
イルド・ワンダーランド」の中で生物学者の健康的に太った孫娘が作っていたものなのです。この部位の小説を読む度に口の中に新鮮なキュウリの歯ごたえと濃厚なチーズの味が広がる感じがしておなかがすいたものです。学生の時には新鮮な素材を集めるのは困難なので、自分の部屋から近い八百屋さんでキュウリを買い、近くのコンビニでハムとパンを買った物です。本当に簡単に作れるので、小説片手に良く「ポリポリむしゃむしゃ」と食べていたものです。懐かしい。
東京の銀座に遊びにいった帰りにはデパートの地下の惣菜屋さんでローストビーフとホールホイートの食パン(少し茶色いすこしパサパサとしたもの)とレタスを買って帰り、ローストビースのサンドウィッチを作って食べました。これはなかなかお金が掛かるので、ちょっとした贅沢(例えば試験が終わった後のご褒美的な)な食事でした。
このローストビースのサンドウィッチは「ダンス・ダンス・ダンス」に出てきます。
今回改めてレシピを確認して見ると、自分が食べていたローストビースのサンドウィッチはちょと作り方が違ったみたい。でも当時の私は一人で村上春樹の世界につかりながら幸せに食事していたので、良しとしましょう。
今回、当時の味が懐かしくなり、奥さんに「ローストビーフのサンドウィッチが食べたい」とリクエストし、「村上レシピ」という本を渡しました。
ローストビーフから手作りしてくれて、久々に食べたサンドウィッチは本当に美味しかったです。
しばし学生時代に戻れました(笑)。
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