危険と隣り合わせ。
歯科で使用する機材はどれもこれも「先の尖った鋭利なもの」と相場が決まっています。
歯科の現場は、歯牙という硬い組織を削るドリルも鋭利だし、歯肉を切り裂くメスも先が尖っているし、切開した歯肉を縫い付ける針も鋭利です。
歯の根の中を綺麗にそぎ取るリーマーといわれる機材もヤスリをねじったものです。
つまり歯科の仕事場は刃物に囲まれているといっても過言ではありません。
私が大学院の頃、外科の先輩がアルバイトで刑務所の歯科治療を行っていました。
長くかかる治療は難しいので、基本的に難治症例は抜歯なのです。先輩の行っていた刑務所は殺人を犯した受刑者がいるところだったらしく、基本的に治療中は刑務官がそばで護衛しているので安心だけど、歯科のユニットにはヘーベルという歯を抜く尖った機材が常にあるので、いつ機材を取り上げられて襲われるかビクビクしながらの抜歯処置だったみたいです。
まあ、最後の例はかなり極端でしたけど、その位危険物に囲まれているのです。
で、私、その機材に指を引っかけて「ズバッ」と切ってしまいました。診療中だったので、すぐにグローブを交換してから診療に戻りましたが、かなり痛かったです。
怪我しても労災は認定されないだろうな。自分の診療所では(泣)
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