すごい本を買いました。
私が若かったときは、本当に毎週のように研修会に参加していました。
しかもほとんど外科の研修会です。インプラントや抜歯、縫合や歯周外科等々。
それには訳がありました。
もちろん、インプラントが巧くなりたいという下心もあったのですが・・・。
高校生の頃、父親の本棚に渡辺淳一著「白夜」の4冊があったのです。父親は多分読まずに鬼籍へ入ってしまったのですが、私が引き継いで読んだのです。
この本は渡辺淳一さんの自伝のような本なのですが、その中にこんなエピソードがあります。
新米の何も出来ない医師が冬の山奥で大変な手術をする事になるのです。もちろん新米の医師なのでなにも出来ないのですが、その場所にいる医師は自分一人なので、とりあえず緊急の手術を行うのです。
手術は術野が新米なのであれてしまい、かなりの出血を起こし危険な状態。しかし、新米の医師は「自分に出来る事をしっかりやる」と決めて手術に臨んでいたのです。というか、それしか出来なかったし、それを信じて手術をしないと自分を見失ってしまうから。
で、その新米の医師はとにかく止血と術野の縫合をしっかりと行ったと書いてありました。切開線の合わせ目など合わずに、とにかく止血を目指して、何重にもしっかりと縫合したと書いてありました。
術後、術野の見た目は悪かったのですが、とにかくしっかり縫合して、止血もした。あとは天命をまつだけという状態。本人もご家族ももう駄目だと諦めた状態だったのに、次の日には意識を取り戻し、徐々に回復してきたと・・・という記事を読んだのです。
止血をしてきちんと縫合するということがいかに大事なことかと分かった時でした。
だから、私は縫合の技術を身につけたいと思い、外科の研修に通っていたのです。
今でも、難しい手術や深い位置にある親知らずの抜歯で術野が荒れてしまった場合、止血と徹底した縫合を行う事で何度も危機から脱しています(もちろん、患者さんは痛みを発生してしまいました・・・)。
現在では、自分でも納得のいく手術や縫合の技術を手に入れたと自負しています。
しかし、時たま技術のおさらいをしたいと思うこともあるのです。
再び、昔受講した研修に行こうかなとも思うのですが、その様な時にこの本に出会いました。
ホントに研修会殺しというか、この本があれば、もう研修会に行く必要が無いなって思うくらい素晴らしい内容の外科の本でした(値段も素晴らしく高かったのですが・・・汗)。
「プラスティックマイクロサージェリー(高精度で確かな結果を得る低侵襲テクニック)」という本です。
新米の歯科医師会の先生も良ければ参考になさってみてください。
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