オールラウンダーへの挑戦。
開業当日の事は良く覚えています。
事前に内覧会を開催して、その時に初診の患者さんの予約を頂き、開業の朝を迎えたのです。
一日中緊張しっぱなしで、緊張が取れるのが1年くらい掛かりました。もう毎日緊張の連続。
平成15年の5月6日、ちょうどGW(ゴールデンウィーク)の真っ最中でした。
初日の患者さんの数は14人。今なら一時間半くらいの患者さんの数です(苦笑)。
しかし、開業初日から半年位は夜の9時半位まで診療していた記憶があります。
手も遅いし、要領も分からないし、すべてが手探り状態。
もう、毎分、毎時間、毎日がパニック状態。
その時に考えてたのは、とにかく自分の生きたかに穴が多すぎるということ。
生活の仕方も、治療の技術も。
生活の方は、30年も生活してきたので、今もあまり変化がないのですが、診療に関しては「穴」の無い様に頑張ろうと思ったのです。
専門性を重視するのでは無く、オールラウンドにこなせる様になりたいと思いました。
約12年くらい掛けて、ほぼ毎週、東京や仙台に研修会や学会、講習会に通いまくりました。
同じ様な研修会には続けて行かずに、歯内療法、補綴療法、外科療法、インプラント、院内マネジメント、麻酔、ホワイトニング。時にはCA(キャビンアテンダント)主催の対人マネジメント研修にも通いました。
当時一緒に研修に通っていた先輩先生に言われたのは、「研修で習っても、そのままでは意味が無い。2週間以内に患者さんに施してみる事が一番の早道」と言われたのを覚えています。
実際は、習ったばかりの事を患者さんに施すのが怖くて出来ませんでしたが、「試す」事の重大さは理解出来ました。
今での「大きな穴」はありますが(苦笑)、どの様な患者さんが来てもあまり恐怖を感じなくなりました。
それは、自分の限界(勉強したり、研修しても自分の医院では出来ない治療)が分かったから、他院へ紹介する技術も身につきました。
昔は、何でもかんでも自分ですべて治療しようと思っていましたから。
その中でも、インプラントと噛み合わせは、他の勉強より熱心に勉強しました。
「穴」の無い様に頑張ってきましたが、その中でも自分の専門性みたいな物は見つける事が出来ました。
気がつけば50歳。
今後はいかに自分の診療内容を充実させるかがテーマですね(笑)
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