QDTで連載開始!嬉し!
私が歯科医人生で幸運だったのは、開業前に姉(現在、つくば市で開業)に連れて行って貰った幾つかの噛み合わせの研修会に参加出来た事でした。
その噛み合わせの研修会は歯の形態は勿論なのですが、何が幸運だったかと言えば、顎を中心とした運動と歯の噛み合わせが連動していることが理解出来た事です。
丁度、同時期に同じ講座の大先輩の吉田先生(東京・京橋ご開業)にアメリカでの「Dawson法」の研修の参加を命じられ、短期間ではありますが、本場でやはり顎を中心とした噛み合わせの勉強を行いました。
開業時に骨格の変形および顎関節のメカニカルな動きの阻害因子の一つに歯の植立位置があると言うことを理解出来ていたと言うのが非常に多きかったと思います。
そして、顎関節の総まとめとして、現在私が取り組んでいる「シークエンス咬合」があります。
このシークエンス咬合は、本当に難解です(苦笑)。
いままで習ってきた顎関節や噛み合わせの治療は、経験や感覚がとても大事で、症例数をそれなりにこなさないと修得が難しいのです。
しかし、シークエンスは全てがデータ化されているために、どんな先生が治療を行っても原則的にデータが合っていれば、同じとは言わないまでも、非常に近い治療効果が得られるはずなのです(苦笑)。
しかし、そのデータの取り方、データの読み方、データの生かし方が一筋縄ではいきません。
でも、それがやり甲斐があってとても面白いのです(治療が面白いなんて不謹慎ですよね・・・反省)。
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私の患者さんに、いままでのやり方で噛み合わせの治療を行っても、全く上手くいかない患者さんがいました。どう、上手くいかないかと言えば、装着した歯を半年くらいで破折させてしまうのです。
それはそれは何度も何度も。被せた歯の保証期間内に何度も壊れるので、私の心の折れてしまった程です(苦笑)。
その時に、このシークエンシャル咬合という治療方法を説明して、治療の一部を取り入れて行いました。残念ながら矯正治療は状況的に無理ということで、矯正治療無しの補綴治療(被せもの)だけで、治療を行ったのです。その後、全く問題が出ていません。
あれほど、何年も悩まされていた症状が殆ど出ていません。
その時、担当衛生士さんと驚いた経験があります。
今回、QDTという歯科医師と歯科技工士が共に読める歯科雑誌で、私達の恩師でもある青木先生が連載でシークエンシャル咬合の特集を毎号(著者は毎月変わります)組んでくれる事になりました。
地方で情報に飢えている我々には福音ともいえる連載です。
もし、この雑誌が読める環境にある医療関係者の方々は一度読んでみてはいかがでしょうか?
この治療が素晴らしいからと言っている訳では無くて、治療のオプションの一つとして、こうした考え方もあることを知って欲しいのです。
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