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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2016年12月20日 (火)

先生はなぜ勧めてこないんだい?

この間の患者さんとのやり取りの事です。
その患者さんは、欠損(歯が無い状態)の部位の治療を希望して来院しました。
基本的に患者さんとの話合いで決定するのですが、私は今回保険の義歯(入れ歯)を選択し、患者さんに説明させて頂きました。
それから、口腔内の清掃等や歯ぎしりの問題等をチェックして時間から義歯(入れ歯)の準備に入りました。
その後の対応を衛生士さんに任せて、自分の部屋へ引き上げました。
少しして衛生士さんが「患者さんが先生にお話があるとの事なのですが・・・」といって院長室に入ってきました。
患者さんが、「先生はなぜ、私にインプラントを勧めないの?」と聞いてきました。お顔はちょっとした難しい顔されてます。
そこで、私は自分の体験をお話しました。
実は私はかなり歯が悪いのです(歯医者なのに)。そこで沢山の治療を受けてきました。
歯科大学の時に、歯が痛くて近くの歯医者さんに飛び込みました。
そこの歯医者さんは腕が良かったので完全に信頼していました。
私が歯科大学生だと分かると、当然の様に自費の治療をしてきました(説明は一切無し)。
で、その自費の治療があまり良くなかったのです。
せめて、自費治療か保険治療かの説明と選択を患者さんに与えて欲しかったと思いました。
それと自分の経験からのなのですが、自費の治療をする場合はほとんど患者さんの方から自費の治療をお願いしますって言ってくる場合がとても多いのです。
私はこうした希望が無い場合は基本的に保険治療を行います。
保険治療は悪い治療ではありません。
ただ、治療のコンセプトがふるいのです。
現代のインターネット社会の情報過多で、患者さんが仕入れて頭に思い描いている治療は保険治療では出来ません。
ただ、駄目ではないのです。
特に私はインプラント治療の時は、結構な確率で欠損部位に保険の入れ歯をいれてもらう事が多いです。
本当はインプラント希望だったのに、入れ歯で満足出来ればそれで良く、インプラントをする必要はありません。
生理的にやはりインプラントしかない場合は、保険の入れ歯が噛み合わせを狂わせないように「噛み合わせ維持装置」となってくれます。
そうした説明を最初の患者さんに説明したのです。
その時、始めたほっとしたような笑顔がその患者さんの顔に出ました。
今まで、自費の治療で痛い思い(丁度私が経験したような)をして来たこと、今まで通院してきた歯医者さんはみな自費治療を勧めてきたという経験があり、私が自費治療を勧めないので、不思議に思っていたようなのです。
人間にはひとそれぞれの好みも思いもあります。
全ての人にベンツを勧めるような治療はしないようにしています。
国産車や軽自動車よりベンツの方がいいでしょう?っていうトンチンカンな歯医者にはなりたくない。
国産車や軽自動車の利便性や扱いやすさはベンツにはないでしょ?
(けっして、ベンツや国産車、軽自動車を馬鹿にしているわけではありません。あくまで例えです。ちなみにベンツはとても良い車だと思います。)


追記 とある忘年会でインプラントをメインで行っている先生とお話をする機会がありました。 その先生はほとんど毎日インプラントの手術をされているそうです。 私は感心して、その先生に、「○○地区にはインプラント希望の患者さんが多いんですね。」 と聞いたところ、「インプラントが少ないのは、先生の説明の仕方が悪いんですよ」とのこと。 説明次第でインプラントになるという意味なのだろうか。 まるで、誘導型でインプラント以外の選択肢はないですよって言っている様に聞こえました。 当院では、一番値段が高いといわれているの「ノーベルバイオケア社」のインプラントを使用しているのですが、それは患者さんを第一に考えているため。 その先生は、こうも言いました。「でも使っている材料は一番安い(言葉が悪いな、お手頃なってことか?)インプラントと歯の部分も保険の同じかぶせもののを使う場合もあるよ」ってこと。 この地域の方は、機能回復を一番望んでいて、見た目や材質にはこだわらないって言ってました。 私が、インプラントを入れるって事は、「自分の歯が無くなったから、インプラントになったはずですよね?その無くなった原因の噛み合わせ等はどうしているのですか?」 と質問した所、インプラントを手術して2ヶ月から3ヶ月はインプラントが出来ないので、その間で治すとのこと。 骨格的な原因の場合はどうするのですか?と質問した所、そんな骨格が原因で駄目になった患者さんはほとんどいないとのお返事。 ちなみに、当院ではほとんどの患者さんが骨格的な問題で噛み合わせに無理が生じ、歯が損失したものばかり。 地域によって歯の喪失の原因が異なるんですね。 ・ ・ ・ ・ ここまで書いてきて、今回の追記はかなりとげとげしい文章になっちゃいました。 それは、まったく共感出来ず、憤慨したからです。 インプラントはあくまで口腔内治療のオプションの一つなのに、インプラントありきになってしまっているのは非常に危険な傾向にあると危機感を感じています。