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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2015年6月 5日 (金)

仙台へインプラントの症例検討会に参加してきました。

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5月24日に仙台へインプラントの症例検討会へ参加してきました。
この症例検討会は歯科用メーカーであるGC(ジーシー)という会社が主催のものです。
このGCというメーカーを知らない方のためにご説明すると、このメーカーは一般診療で使う多くの物を販売しています。大げさに言えば、このメーカーがないと私の治療は成り立たないと言うほど大切な歯科材料を販売しています。
実は、当院のCT装置もこのメーカーの物なのです。
そのGC、10年以上前から自社のインプラントを開発販売をしています。しかし、その販売方法が実に慎重なのです。ガツガツ売り込もうとせず、基礎研究を地道に重ねながらゆっくりと前進している感じなのです。今回のインプラント症例検討会でも自社(GC)のインプラントじゃなくてもOKだと言うんです。たぶん、これも開発の一環ではないかという気がしないでもないのです。

で、どうしてこの症例検討会に参加することになったかといえば、この検討会の講師が、師匠の関根先生なのです。これは参加しなければいけないと思い、GCの方に2週間前に参加を表明をさせていただきました。
まあ、ここまでは非常に平和な、いい感じの展開なのですが、ここで問題が起きました。
このブログで何度も書いているのですが現在私は金曜日の午後に奥羽大学の聴講生として通学しているのですが、症例検討会が開催される同じ週の大学での講義が終了した後に、GCの担当者が関根先生にお会いに大学に来ていました。そこで関根先生にその担当者さんを紹介されました。そこで担当者の方から「症例を持ってきてください」と厳しい一言。関根先生も「模型一個でもいいから。過去の症例でもいいよ」とのこと。
かなりの冷や汗が流れました。《これは絶対試されている。これは絶対試されている。》心の警笛ががんがん鳴ってます。
関根先生の手前、出来ませんとは言えないので、「あ、大丈夫ですよ。ちょうど相談したい症例もあったし」なんて心にもない強がりを放ってしまいました・・・・。
その後、関根先生とお別れした後、自宅に帰ろうとしたら、またGCの担当者の方に大学の玄関でお会いしました。その際、「実は、参加者が少なく、症例がきちんと集まるかわからないのです。出来れば数多く症例を持参していただきたいのです。」との無茶ぶり。私もお調子者なので、わかりました。何症例か持って行きますよと軽口を叩いてしまいました(この軽口が後ほどジャブのように私の眠い頭にぐらぐらと響きました)。お願いされたその日は疲れすぎて寝てしまいました。症例検討会は日曜日なので症例プレゼンを作成する日は土曜日一日のみ。がんばるしかないのです。

で、土曜日なのですが開業医は土曜はとても忙しいのです。土曜日にしか来院出来ない患者さんが多く、土曜日だけは1ヶ月まえから既に予約は埋まってしまっている状態。めちゃくちゃ忙しい。もちろん仕事の合間に症例のプレゼンなど作成出来るわけもなく、仕事が終わってから、うとうとしながら(眠さと戦いながら)作成しました。

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で、肝心の症例検討会のことですが、これがとても有意義でした。最初は関根先生の講義。この症例も現実に即した貴重なお話。特に偶発症にポイントを当て症状の説明や対処の方法をご説明いただきました。午後1から症例検討の開始です。私がトップバッター。苦労して症例をいくつか作成したので張り切って発表しようとパソコンのスイッチを入れ立ち上げようとしたとき、先日の担当者さんが近づいてきました。
「先生、1症例45分くらいで。1症例でお願いします。」
「え?1症例?」
そこは大人の対応。「オイオイ、1症例ってことはないでしょ。たくさん持ってきたんだから」と言いたいとこををぐっと我慢して。
「OK。わかりました」と声のトーンをちょっと落としてジェントル風に答えました。
一応、症例を作成していく時、私の場合は最初は簡単な症例から徐々に難しいものへ後半にいくほど質問したいものへ流れていきます。今回は残念ながら一番簡単な症例になってしまったのですが、それでも関根先生から私では思いつきもしないヒントをいくつかもらえました。それと、大きな収穫は、他の一般開業医先生からの忌憚のないご意見をいただけたことです。いかに自分の考え方が凝り固まっていたかが痛いほどわかりました。本当に新鮮なご意見。自分的には分かっているつもりが実は考えが浅かったということを思い知ることが出来ました。
私の症例はこれから手術するものだったのですが、他の先生の症例は、既に手術終わっているものでした。この症例はご自分で施術したものもありますし、他院の先生が施術したものもありました。その相談の内容はインプラント周囲炎や脱離を繰り返すインプラントの症例。それぞれ個々の失敗の原因は割愛しますが、一つ言えることは事前の診断が甘いと言うことが言えると思います。インプラントを始めたばかりの先生は、インプラントの手術することが目的で(頭がインプラント手術でいっぱいいっぱい)、その後に想像出来る口腔内状態まで頭が回っていない。これは非常に悲惨だな、とため息。
やはり、インプラントを手術する前には歯周病の状態やかみ合わせの状態の把握をし、改善をしてから手術を行うべきだと思いました。それを受け入れられない患者さんはお断りする勇気も必要だなと痛烈に感じました。
偶然ですが、その日はちょうど仙台で奥さんと約束していたGRAPEVINEのライブが行われる日でした。本当に偶然です。ライブがあったから、ちょうどいいし、症例検討会に出ようかな〜なんて訳ではないですよ、いや、本当に偶然です(汗)。
いや〜〜偶然ってすばらしい(まじ確信犯)。

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