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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2014年10月 3日 (金)

フラップ形成

昨日のインプラントの出張手術での事です。
患者さんは、非常に体格の良い男性(でも、笑顔はとってもキュート)。
下顎に5本のインプラントを埋入予定。
骨が非常に硬い事は事前のCT撮影で確認していました。
そのため、堅い骨の準備をしっかりと行い、手術に望みました。

その手術の話の前にちょっとした豆知識を一つ。
歯肉と骨の間には骨膜という組織があります。
骨膜とは骨に栄養を送り、歯肉との接着に関与しているいわば『膜』です。
私たち歯科医師は、この骨膜が骨に通じている事をしっているので、この膜に麻酔を染みこませて歯の痛みを消しているのです。とっても大事な膜なのです。
手術の際には、この膜を傷つけないように、丁寧に骨から剥離していきます。
歯医者に成り立てで、あまり手術がうまく無いときは、この膜をグジャグジャに破壊して歯肉を剥離してしまうので、腫れたり、痛みが出たりするのです。
ですから、手術の際には大胆にしっかりとメスで切開し、出来るだけ骨膜を傷つけないように骨から剥離して行きます。こうすることによって、腫れず痛みが少ない術後になります。
豆知識終わり。

手術の話に戻ります。
手術で予想外の事態が起こりました。
骨がかなり硬い事は予想済みだったのですが、骨膜と骨がかなりしつこく癒着していてなかなか剥離が出来ないのです。つまり、骨膜と骨との接合もかなり硬かった(強かった?)のです。
もう、私も必死です。強く力を入れてもいけないし、力の入れ方を間違えると全く剥離出来ないし。
歯肉を切開して開くことをフラップを形成するというのですが、そのフラップがなかなかうまくいかない。
汗だくだくです。
ちょっと気が抜けたときに、メス先が滑って私の左手の人差し指をかすりました。
その瞬間、指先から鮮血が。
手術を一時中断して、グローブを外すと、私の指先の第一関節部分に見事なフラップ(切開によるお肉の開き)が出来ていました。それはそれは見事なフラップです。もうすぐで骨が見える位。
手術のフラップ形成が手こずっているのに、自分の指先に綺麗なフラップ形成を行ってしまいました(苦笑)。貧血を起こす程の出血です(苦笑)。
絆創膏できつくテーピングを行い、その上から滅菌グローブを行い手術に戻りました。
それで、緊張が解けたのか、問題のインプラントの手術は驚くほどスムーズに行うことが出来ました。
すべては気持ちの持ちようなのかもしれません。
手術後の状態も1日経って、腫れも麻痺も無く、痛みも少ないという連絡を受けたので、ほっといたしました(笑)。
私の傷は腫れてずきずきと痛んでいますが。