休日歯科診療へ
昨日の日曜日は、休日歯科診療の当番日でした。
私の休日歯科診療には苦い思い出ばっかり。
なぜなら、12月31日とか、1月1日とかGW中とかばかりでいつも忙しく、疲れた思い出しかないのです(苦笑)。
自分で言うのもなんですが、かなりの人見知り。
初めてのスタッフと上手く付き合うのが苦手なのです。
そのため、こうした集会のように集まるのが大の苦手。出来るだけ避けるように生きているのですが、こればかりは仕方がありません。順番ですから。
自分のなかの悪いイメージを背負いつつ、昨日は出かけていきました。
しかし、担当の衛生士さんも優しく、患者さんもいつものように多くはなく、余裕をもって担当することが出来ました。
余裕があったためか、休日歯科診療で多くの事を学ぶことが出来ました。
それは自分の診療に対する心構えが出来たということです。
私達歯科医師は、死ぬまで学び続けなければいけない職業なのです。常に最新のスキルや情報、日々分かってくる人体の仕組みに対応すべく変わってくる薬剤のことなどを整理しながら自分の頭に納めていかなければいけません。
私も、体は一つ。しかし、学べる日数も決まっているので、年の初めに「今年はこれを中心に勉強しよう」などと決めてとりかかります。
最新の知識を学んでも、日々の診療が劇的に変化しているかというと、そうではありません。少しづつ、少しづつ変わっていくのです。
診療室の中を大きく方向転換すれば混乱が生じかねないからです。ですから、いつも「来年の4月までにこの方針を定着させるべく、取り組みましょう」といったアバウトなやり方を行います。
つまり、診療室の中では、ゆっくりとではありますが、最新の歯科治療になるように大系がシフトしていくのです。
昨日の休日歯科診療では、約半数の患者さんが詰め物が取れてしまったから付けて欲しいというものでした。
正確にいえば、詰め物が口腔内から脱落したということは、何らかの原因があって取れているということです。
自分の歯科医院に来院した患者さんなら、迷わず原因を説明し、治療を行うと思います。しかし、今回は休日歯科診療です。本当の意味で自分の患者さんではありません。たとえ自分が今治療していたとしても。
そこで、患者さんの話を聞いてみると、原因があろうが、無かろうが、その歯をすぐに付けて貰うことが幸せであって、決してそれ以上の治療を望んでいない場合が多かったのです。
この時、自分が初めて車を買ったときのことを思い出しました。その当時はお金が無かったので、ただ、車輪が4つ付いていてエンジンが付いていればそれで良かった。それでもかなり贅沢な気分だしたものです。車を購入した時は、世界一の車とおもったものです。
つまり、なにが言いたいかといえば、その人の喜びは、人それぞれ違うということ。
そんなの当たり前じゃないかと思われてしまうのですが、常に歯科医療の事を勉強していると、すべての患者さんが最新の歯科治療を望んでいると勘違いしてしまうということなのです。
またまた車の例えですが、軽自動車が大好きな人に、ベンツの方がすべてにおいて良いからこちらを買えといっても無理があるし、常にフェラーリなどの超高級車に乗っている方にベンツを進めても、きっと満足できないでしょう。
我々は、これからも最新の知識の吸収はやめないけど、患者さんの目線にたった仕事をしていかなければいけないということを、たった1日という短い時間でしたけど、休日歯科診療はとても良い勉強になりました。
しかし、写真のような場所に、朝9時から夕方5時まで初めてあった内科の先生と小児科の先生と缶詰というのは、ちょっとしんどいね。
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