砂の上のあなた
白石一文さんの小説は、言葉遣いがとてもきれい。日本語の使い方がとても上手。
白石さんの日本語に触れたくて、いつも新刊には手を出してしまう。
しかし、その文章の構成、プロットはいつも難解。
今回の『砂の上のあなた』は、自分の子どもがいる方といらっしゃらない方ではたぶん感想が全く違うと思う。
こういう人間関係を紐解く小説の書評はとても難しい。
人生経験の少ない私にとっては特に。
私には子どもがいるので、自分の子どもの未来を決して親の思惑に染めてはいけない、親のエゴで子どもの気持ちまで考えてはいけないのだなと、的外れな読後感。
ちょっと、この本の書評は自分には無理。
でも、文章に無理がないので、するすると読めてしまう本ではあります。
まだ直木賞受賞の『ほかならぬ人へ』 の方が良かったな。
たしか白石さん、インタビューで、
「キャリアを積んだ女性でも、
それを捨てて子どもを欲しがる。
それが、僕には、
ずっと理解ができなかったんです」
と、仰ってました。
こどもを作る作らないは、
キャリア云々じゃなくてやはり、
自分が育った環境が決めるのだろうな~、
と思う、子どもがいない私でした。