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2009年11月29日 (日)

唾液の働き(口呼吸)2

本日も、昨日に引き続き、坂本貴史先生の著書『歯と口の悩みを解決する本』よりお届けいたします。

◇唾液を分泌を低下させる口呼吸

口呼吸をしていると、唾液の分泌が低下してしまいます。ふつうは無意識のうちに鼻で空気を吸って、鼻から吐きますが、最近は口から空気を吸って吐く人が増えてきました。口呼吸をしていても自分では気づかない場合が多いので注意が必要です。

◇ここがポイント

・いつも鼻がつまっている人

・いつも口を開けている人

・唇や喉が渇きやすい人

・歯ぐきの色が悪い人

・虫歯のある人

口呼吸をしている人には、このような特徴が多いようです。とくに、前歯の表面の一部が白い人や口臭が生臭い人は口呼吸の疑いがあります。

口呼吸が歯にとって危険な理由は、虫歯や歯周病になりやすくなってしまうからです。その理由は唾液に関係してきます。前にお話した通り、口の中の酸性度がpH5.5~5.7以下になると、歯の表面に当たるエナメル質のすぐ下からカルシウムやリンが溶け出します。

この状態を脱灰といいますが、しばらくすると、今度は唾液の力がは働いて酸を中和し(緩衝作用)、きれいに洗い流す(浄化作用)などをして歯垢の酸性度を中性にします。すると、次に唾液に含まれるカルシウムなどのミネラルが歯に沈着し、さきほど脱灰した部分が修復されます。この状態を再石灰化と呼びます。

つまり、口の中では食事のたびに虫歯ができはじめたり治ったりしているのです。しかし、口呼吸をしていると、唾液が分泌されてもすぐに乾いてしまうため、再石灰化もできず、細菌の活動も抑制しきれず、虫歯や歯周病を進行させてしまうことになります。

口呼吸をしている人には、さらに次のような特徴があります。

・自然に口が半開きになってしまう。

・前歯が飛び出していたり、歯にすき間が多い

・上下の歯のかみ合わせが逆になっている(受け口)

・いつも片側の歯で噛む癖がある。咬み合わせも悪い

・下唇が上唇より分厚い

・唇がカサカサに乾燥する

・朝起きると、喉がヒリヒリ痛い

前に記した特徴と合わせ、このような徴候があれば口呼吸を行っている可能性が十分にあります。

人間以外の哺乳類動物の場合は、鼻呼吸が普通です。人間の場合は口で呼吸をするので、扁桃腺炎やかぜなどの呼吸器の病気にかかりやすく、最近の子供にぜんそくが多いのも、口呼吸の影響ではないかという説もあります。

元・東京大学医学部口腔外科の西はあら克成博士による口呼吸を治すトレーニングを簡単に紹介しておきますが、もっと詳しく知りたい方は『呼吸健康法』(法研)をお読みください。

最も簡単なトレーニングは、シュガーレスのガムを噛むことです。この場合、口を閉じて噛むこと。近くにいる人にクチャクチャと音が聞こえるような噛み方はいけません。

これを毎日、1~2時間続けると、二週間くらいで効果が表れます。

また、口を閉じて噛むので、顔面表情筋の力がアップし、開きっぱなしだった唇が、少しずつ閉じやすくなってきます。そのほかには、かみ癖でないほうの側でリズミカルに噛むと、顔のひずみも少しずつ改善されて行きます。

口呼吸では、次のような原因で唾液の分泌が少なくなることがわかっています。

・あまり噛まずに食事をする

・鎮痛薬、血圧降下剤、利尿剤、向精神薬などを使用しているとき

・脱水症状を起こしたとき

・頭部の癌治療に放射線療法を用いた場合

・自己免疫疾患やHIV感染など

参考文献 歯と口の悩みを解決する本 坂本貴史著 法研  

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