基本を振り返る
今年、インプラントにおいて、不幸な事件が東京で起きました。本当に痛ましい事です。
そのミスの中心は、本当に基本的な解剖や麻酔の知識の欠落や、油断がもたらしたものだということです。
行く先々の勉強会でも、そのことを強く強調していて、新しい技術の修得の前に口腔内の解剖を行う事が増えてきていると思います。
患者さんが信頼をおいて手術を任せてくれるのですから、こちらにミスがあれば、本当に申し訳ないと思います。
そこで、休日に、一度基本を見直してみようと、大学当時の解剖と麻酔の教科書を見直し、国家試験の時の問題をやってみました。
で、その結果なのですが、いつも良く目にする解剖学的、麻酔学的な問題は、ほとんど出来ました。しかし、耳鼻咽頭科に近い解剖はミスが目立ちました。
シェーデル(骸骨の模型)を持ち、解剖学的にいろいろな本で検証してみました。
教科書によっては、見やすくするために、わざと部位を誇張して書いてあるものがありました。位置的には問題ないのですが、実際は骨に寄り添うように大事な血管が走っているのですが、本には少し骨と離れて書いてあるのです。この方が確かにわかりやすいですが、事故が起こったのもこの部位です。
医師は骨を誤ってくりぬき、その際に血管を傷つけてしまいました。しかし、もしこの教科書をつかって勉強していたとしたら、「骨と血管は離れているので、問題ない」と思ってしまってもしょうがないかもしれません。
骨の模型と解剖の本何冊かをじっくり見比べると、勘違いしている事も多数あり、非常に有意義な時間を過ごせたなと思う気持ち反面、今までなにもなくて、安堵している自分もいて、大変複雑でした。
インプラントを行う際は、CTスキャン、血液検査はもちろんのこと、必要であればMRI検査もして、血管の位置を確かめた方がよいのかもしれません。
画像は海浜幕張の古賀テクノガーデン歯科の古賀先生のHPよりの引用です。
インプラントは良く便強してるドクターに
お願いしたいと思いました。