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2006年9月13日 (水)

帝王切開がもたらすリスクとメリット

紀子さまが9月6日に帝王切開にて男子をご出産なされました。大変おめでたいことです。

今日は、すこし趣を変えて、帝王切開のリスクとメリットに付いてです。今日のテキストはNEWSWEEK「0歳からの教育」です。

帝王切開がもたらすリスクとメリット

出産は、自然なプロセスですが、母胎には結構負担がかかります。

今でも、毎年世界で50万人の妊婦が各種の合併症で死亡しています。死ぬほどでなくても、自然分娩の場合には痔や腰痛といった後遺症の心配があります。

また高齢出産は、赤ちゃんにもリスクがあります。

だからかどうか、帝王切開による出産が増えているのです。

アメリカの場合、50年前には帝王切開で生まれる新生児は50人に1人に満たなかったが、今では4人に1人を越えています。

帝王切開は病院を儲けさせるだけで、かえって出産のリスクを増すという批判があるのは事実です。

しかし、妊婦が希望する例も増えていて、頼まれれば医者も喜んで手術する傾向が強いのです。

帝王切開は安全なのだろうか。これから出産する人はどんな選択をすれば良いのだろうか?

むずかしい質問です。帝王切開にすれば、陣痛の苦しみや、一部の後遺症から解放されるし、出産日の予定もきめやすい。

だけれども、回復は遅れます。術後2~3週間は車を運転出来ず、重い物を持ち上げるkとは出来ません。

自然分娩の場合より長い入院が必要だし、ほとんどの人は鎮痛剤を投与されるため、術後に倦怠感が残りやすい。

安全性となると、さらに不透明です。妊娠合併症が見られる場合には、帝王切開の方がリスクを減らせます。しかし、自然分娩で安全に出産できるはずの女性が帝王切開を望んだ場合については、その安全性は十分に検討されてはいないのが現実です。

帝王切開のほとんどは今も医師の指示で実施されており、手術例が増えているのも主として医学的な理由によるものです。

ひとつには、出産年齢の上昇で早産が増えている事や、不妊治療のために多胎妊娠が増えているという事情があります(胎児が小さすぎると自然分娩が難しい場合があります)。

無痛分娩で硬膜外麻酔をしたり、陣痛促進剤を投与された女性では帝王切開が必要になることが多いとの報告もあります。

胎児の様子をモニターで観察しやすくなったため、陣痛に上手く反応していない場合は、帝王切開を選択する例も増えています。

妊娠のリスク要因が同じでも、担当医や生活環境によって帝王切開の割合は異なります。地域の小さな病院なら、たいていは1人の主治医が妊娠初期から出産まで担当します。担当医が変わらないのは好ましい事だが、主治医に出産に立ち会ってもらいたいという理由だけで、陣痛促進剤を使う例もあるそうです。

いずれにせよ、大事なのは妊婦が自分の希望(自然分娩か帝王切開か)をはっきり伝えることです。妊婦が帝王切開のリスクとメリットをきちんと理解していることが確認出来れば、医師は帝王切開の希望にも応じてくれるはずです。

ただし、「最初が帝王切開だったから次も帝王切開で」というのは理由になりません。肥満や高齢などのリスク要因がないかぎり、帝王切開の経験者が次の出産で自然分娩を選んでも、それほど問題はありません。ただし、万が一の場合に対応出来る病院で生むことが条件となります。

結局、分娩中に何が起きるかは赤ちゃん次第。親の都合通りには行きません。いずれにせよ当分は、子どもの都合に合わせていかなければいけないのです。

参考文献  NEWSWEEK「0歳からの教育」 フレドリック・フリゴレット、クリスティン・ユンゲ著

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