これは絶対動かないでしょ(苦笑)。
私は高校の学校歯科医をしているのですが、多くの矯正を行っている学生さんがいらっしゃいます。
その学生さんが装着している矯正装置を診て、かなり勉強させて頂いているのですが、本当にたまに、おや(?)と思う矯正装置を装着している学生さんがいらっしゃいます。
矯正は口腔内の歯牙の形や支える骨(歯槽骨)、力を加える咬合力、上下で噛み合う為に左右の顎関節の動きで3次元的なバイオメカニズムが働いて、歯牙の移動が行われます。
そういった観念から考えると、どう見てもこの矯正装置にはあまり意味がなく、もしかすると治療の効果がマイナスになってしまっているのかもな〜〜なんて考える事があります。
まあ、当たり前の事なのですが歯列咬合、いわゆる「噛み合わせ」というのは上下の歯が合わさって「咀嚼」や「歯ぎしり」といったアクションを起こすのです。つまり、上顎の歯列は下顎の歯列の影響を受けていて、下顎は上顎の歯列の影響を受けているのです(至極当たり前)。
で、何が今回言いたいかと言えば、患者さんの歯列の訴えが上顎の歯並びだとすると、上顎の歯にだけワイヤー装置を付けて、下顎にはワイヤー装置を付けない症例がたまにあるのです。
上顎の歯並びが悪いのは下顎の突き上げや歯列不正が原因で上顎の歯列不正が起こっているので、上顎だけ並べようと思っても、まったく並びません。ワイヤーで無理矢理上顎だけ並べても短時間で直ぐに下顎の歯列の影響を受けて元に戻ってしまうと思います。
先日も、上顎にだけワイヤー装置をつけて、「もうこれ以上歯動かない それは歯の形状の問題だから」と言われ治療が終了ですといわれたのだけれども、とセカンドオピニオンの患者さんが来院されました。
上顎前歯部の間に隙間が有るのですが、明らかに下顎の前歯部の突き上げの可能性があるのです。
こうした片顎にだけ装置を付けた学生さんを見かけるのですが、これはエビデンス的にどうなんだろう?
まだ矯正を始めて11年くらいなので、もしかしたらこうした片顎だけの矯正の治療があるのだろうか?
絶対動かないと思うけど、どうなんでしょう?
教えて有識者の方々!!
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