新月譚~貫井徳郎著~
完全に引き込まれ、退屈な自宅に帰宅してからも読み続け一日で読破しました。
人生について考えさせられる一冊。
物語は、若い編集者が昔大好きだった作家の思い出から始まる。そしていつしか、本好きの自分がその作家の本を自分が作りたいと願うようになり、その作家の家に訪ねていく。
その作家は、絶世の美女でしかも、8年前に突然絶筆している。その若き編集者は再び小説を書いてくれるように説得にいくつもりが、彼女と話しを重ねるうちに、彼女の小説の謎に深く疑問を持つようになる。
その謎とは、文学界の中の有名な文学賞を受賞した前と後では、同じ小説家とは思えない程の小説の質が異なる。まるで別の小説家が書いたような。。。。その小説の筆力の違いは、またなぜ人気絶頂の時に絶筆してしまったのか。。。。。
読了後の感想は、とても複雑でした。
人間なにが原動力になり、何が自分の価値を決めるのか・・・。
大なり小なり誰もが抱える可能性のあるテーマ。
貫井さんの小説にはいつも驚かさせるけど、今回はまた一皮むけたような気がする。
貫井さんと同じ時代に生きられて幸せを感じつつ、時間があるときにもう一度読み返そう。
幸せの絶頂にあるかたは、読まない方がいいのかな。
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