ホモサピエンスにおける不正咬合の問題における私の問題
この人間と猿の骨格の写真は、今勉強している『シークエンス咬合』関係の本(佐藤貞雄先生の著書)には高確率で掲載されている写真なのです。 なぜ、この写真が歯科と関係があるのかと言えば、難しく言うと、「人の進化の過程における体幹および頭蓋、顎顔面骨格の姿勢および形態の変化」を表している画像ということになります。 簡単に言えば、もともと類人猿だった人間は四つ足で歩いていた訳です。そのために頭蓋骨のフォーマットも四つ足用に作られていた訳です。そのため、最初の画像の猿の様に前傾姿勢で顔は背骨と直線のようにやや下前向きで付けられています。 それが進化の過程で人間の顔面と頭蓋の骨格は全身骨格に対して整直な状態に進化しています。 この首の整直化に伴って、人間の脳頭蓋底(背骨と首の付け根)は170°から125°程度まで屈曲してしまったのです。これが原因で様々な口腔内の問題が生まれてきました。
そのため、人間が悩まされている口腔内の問題が猿には全く無いそうなんです。 人間は首が垂直に成ってしまったために、噛み合わせが大きく分けて3つあります。 ちょっと歯医者らしからぬ悪い言い方をすれば(本当にすいません)、正しい噛み合わせ、出っ歯(Ⅱ級咬合)しゃくれ(Ⅲ級咬合)の3つです。しかし、猿には噛み合わせが一つしかなく、顎関節症などの問題は皆無です。それは犬歯だけⅢ級咬合であとの歯は正常咬合という下顎が後方へ移動しない噛み合わせになっているからと言われています。人間は全部正常咬合か全部Ⅱ級咬合か全部Ⅲ級咬合かという具合です。写真で確認してみてください。
ただ、人間も生まれてきたときは歯が萌出してない状態ですので、成長に伴って口腔内や骨格が進化していって噛み合わせや骨格が成長していくのです。そのために猿から人間に至った進化の発達を勉強するのは口腔内の適応(生体を取り巻く様々な環境の変化に機能的に対応して成長して行く様)と代償(適応が上手くいかない場合、生体は代償的な反応によって対応する)を理解するうえでとっても大事で、噛み合わせの勉強中疑問にぶち当たるとこの進化の過程の勉強を幾度となく繰り返し行っているのです。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そんな猿や人間の頭骨に興味をもっている私なのですが、ついに猿の頭蓋骨の模型を見つけてしまったのです。 それは今月2週連続で仙台に行った時のことです。 最初の仙台に行った帰り、新幹線の時間まで少し時間があったので駅ビルの中の雑貨屋さんに行った時の事です。すこしそのお店は科学や考古学チックな雑貨に溢れていて、理系の私はうきうきしてしまったのです。その中の展示の一つに猿の頭蓋骨が置いてありました。 『オ〜マイ〜ガ!』 もう気分は有頂天。しかし、やはり精巧に出来た猿の頭蓋骨。しかし、お小遣いを投入するだけの価値は充分にあるぞ、どうする?どうする?って試行錯誤を繰り返すうちに新幹線の時間が来てゲームオーバー。 で、2週目の仙台。先日も書きましたが駅ビルですのでヨドバシカメラは隣です。この時はパソコンのモニターを購入する予定だったので車で来ています。 心の中で、「よしよし、車だから今回は持ち帰ることが出来るぞ、うしし」と計画を立てました。 子供の欲しい文具がちょうど同じビルの東急ハンズにありましたので、それを口実にその雑貨屋さんにも時間を作って潜入。 しかし、その猿の頭蓋骨が無いのです。先週はあったのに。 私と同じ猿頭蓋マニアが居て、一足遅かったと他の物を物色してレジへ。 するとレジの奥に鎮座ましまししているではないですか!! お店のお姉さんに、「すいません、その猿の頭蓋骨見せてくれませんか?」とお願いすると、 お姉さんの顔が笑顔に変わりました。「お客さん、猿の頭蓋好きなんですか?私もこういうものが大好きなんです。」といろいろとしゃべり出しました。 やはり、こういう物が好きな方が働いているんだな〜〜とうんうんときていると、 「実は、ちょっとお高いんですが、特別なものがあります」と ごそごそと奥からドデカい物を出してきました。 それは、ゴリラの頭蓋骨。 なんだか、流れで猿ではなく、ゴリラに話しが行きそうだったのですっかり購入意欲を削がれた私は、いそいそと退散しました。 催眠術が溶けたように、なんで猿の骨なんか欲しがったのか?と不思議に思うこの頃。 ゴリラが出てこなかったら、今頃院長室に猿の骨が転がってたわ(苦笑)。
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