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2008年2月15日 (金)

ニワトリの歯

本日は、ハヤカワ文庫 エドゥアール・ロネが書いた「変な学術研究1」からお届けいたします。

ニワトリの歯

科学者は次々に新しい事に挑戦して、未知の世界を切り開いていく。

それは、古くから言い伝えられた諺や、生活の知恵にもあえて逆らって、これまでの慣習や常識を覆すこともあった。

しかし、いつでもよい結果が得られるとは限らない。たとえば、アンドゥイエ(ソーセージの一種。バカの意味もある)が自分の力で1000㍍も空を飛ぶようになったら、何が起こるだろう。「アンドゥイエが何本も空を飛んだら、お前が飛行隊長の隊員だ(おまえはものすごいバカだ の意味)」という諺のとおり、この世はバカの飛行隊長であふれてしまうのである。

だが、そうはいっても、科学者というのはやはり無謀なもので、古くからこの諺に挑戦する輩が本当に出てきた。

2003年6月にリヨンの高等師範学校が、ニワトリに歯を生やすことに成功したと報告したのである。これを聞いて、人々が不安をかき立てられたのも当然だった。

「ニワトリに歯が生える」とは「金輪際ない」という意味だ。

人から無理な要求をされたら、「ニワトリに歯が生えたらやりましょう」と言って、婉曲にことわるのだ。

実際、世の中には、給料を上げてくれとか、貴重な品物を貸してくれとか、無理な相談だが簡単には断割り切れない要求がたくさんある。それなのに、本当に「ニワトリに歯が生えたら」、そういった要求がもはや断り切れなくなるではないか!これは大問題である。

いや、その問題はさておき、リヨンの高等師範学校ではどのような実験がおこなわれたのだろうか?

ニワトリに歯を生やすためには、マウスの胚が利用された。より正確にいうと、マウスの胚が幹細胞としてニワトリの胚に提供された。より正確にいうと、マウスの胚が幹細胞としてニワトリの胚に提供された。

その結果、この胚には切歯を生やす遺伝子が与えられて、それと同時に嘴を作る遺伝子が失われたという。もっとも、この胚は生き延びなかったので、実際にニワトリに歯が生えたわけではない。しかし、可能であることが分かったのだ。

それにしても、この実験にはどんな意味があるのか。実験の責任者エフティオ・ミトシディアス博士によると、「今から数百年前に、ニワトリの祖先にさかのぼる始祖鳥には歯列があった。しかし、歯の形成に関わる遺伝子のいくつかが、進化の過程で次第に消滅してしまった」というように説明している。

なるほど、ニワトリの祖先は歯をもっていた。おそらくご先祖さまたちは、ローストチキンを作る時に、かみつかれないように苦労したことだろう。

さて、ミトシアディス博士のグループは、この研究が「歯科治療の革命」への道を開くことを特に強調した。重い歯の障害を持つ患者に、乳歯を生えさせることが出来るかもしれないというのだ。とはいっても、それはまだ口約束にすぎない。実現の可能性も怪しいものだ。何しろ、「ニワトリの歯が生えたら・・・・」ということなのだから。

その一方で、この種の実験はすでに2002年9月ころから始められている。ボストンのフォーサイス研究所の研究者達が、子豚から取り出した歯の幹細胞を基にして、豚の歯をネズミの腸の中に生やすことに成功したのである。

これは独創的な実験であると評価されたと同時に、むしろ、科学研究はどんな事でもやりかねないという証拠にもなりました。明日にはシマウマの肛門に臼歯が生えるかもしれない。

そしてもちろんニワトリは、コルゲート歯磨きの広告に出てきてニッと笑って見せるだろう。

このような形で研究が進んでいったとしたら、結局、ニワトリには歯が生えるのだろうか?そうなったら、我々は無理な要求を断る時や、守るつもりもない約束をするときに、聖グラングランにお祈りするしかない。聖グラングランは、放蕩の生活のあとで悔い改めて罪を償い、ブレストで亡くなった成人で、誠実な人物だったが、大酒のみだった。

しかし、一人の娼婦が広い心をもって彼を正しい道に導いたので、残りの半生を伝導師として、ブルターニョ地方の北のフィニスティール県のために捧げたと伝えられる。

だが、実在が証明されていないので、聖人カレンダーの中に「聖グラングランの日」は定められていない。そのため「聖グラングランの日までに」と言って約束をごまかすことができるのだ。

そう、ニワトリがダメでも聖グラングランがいるので、まだだ丈夫だ。

だが、油断は出来ない。そのうち、もしかしたらヴァチカンの古文書保管人が地下室から聖グラングランの存在を証明する文書を発見するかもしれない。

そうなったら、我々はどんな要求にも従い、どんな約束も守られなければいけないことになる。そんな日が来たら、我々はいったいどうすればよいのだろう。

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