燃えよ剣。
司馬遼太郎の歴史小説「燃えよ剣」は新撰組の土方歳三を主人公に、近藤勇、沖田総司を中心に展開される歴史群像劇です。
大学院時代に歴史物の小説にどっぷりとはまり、戦国から近代幕末までとにかく読みあさりました。
幕末の坂本龍馬や新撰組の小説は、読者の肌がヒリヒリする様な緊張感があります。100何十年前の比較的近代の話なので特にです。
今回の映画は原田眞人監督と岡田准一とのペア。
ん?このペアは映画「関ヶ原」のペアと同じではないのか?と思って調べたら、やはりそうでした。
私は映画「関ヶ原」はジャニーズの岡田君色が全面に出ているような感じがして苦手でした。2時間という短い枠で壮大な関ヶ原の狡猾な人間関係を描くのは無理があるのかな〜と感じたちょっと残念な感じがしたものでした。
今回も「土方歳三の人生を2時間で描く」にはちょっと短いのではと感じていました(観るまでは)。
しかし、今回の映画は誰も知らない歴史的トリビアを随所に盛り込んで、観客を飽きさせず、かなり感動したし、面白かったです。個人的には。
面白いのは、「徳川慶喜」の描き方。歴史的映像は多く見ますが幕末の「色」は徳川慶喜の描き方で全然変わると思うのです。苦渋の人物と捉えるか、狂気の身勝手さを押し出すかで、映画やドラマの内容は変わるのでしょう。今回は新撰組目線で描いているので、「狂気の徳川慶喜」でした。これはこれで面白い。
ネタバレになるので、あまり書きませんが「関ヶ原の戦い」で敗れた長州藩はずっとその事を根に持っていて、それが「池田屋事件」や倒幕へと繋がっているのは、かなり深い恨みが根底にあるのだと思い、人間の情は恐ろしいと思わずにはいられません。
だから、原田監督は「関ヶ原」→「燃えよ剣」と描きたかったのか?
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