タイプ別歯科治療
テレビで「スーパードクター」とか「神の手」などで称される脳外科医の福島考徳先生を知っていますか?
私は、このスーパードクター系のテレビを鑑賞するのが大好きなのです。
多くの方が、自分の病気と照らし合わせ、救いを求めてこの手の番組を観ているのかもしれません。
私がこの手の番組を好きな理由としては、同じ医療人として不可能を可能にしていく過程が好きなのです
。
で、気がついた事があるのですが福島先生がテレビのインタビューをされるときは、自分の事を必ず「福島先生」って言っているのです。
「福島先生はまだまだ頑張りますよ」
「福島先生は休みは要らないなんですよ。仕事が好きなんですよ」
「福島先生は困っている人を助けるために世界中を駆け回りますよ」
ってな具合です。とても74歳の男性の言葉とは思えません。
私も毎日手術をしています。主に下顎の親知らずの抜歯やインプラント、歯根端切除術や嚢胞摘出術などです。歯科の手術ですから、医科の手術の様な命に関わるような危険な手術は、開業医では行わないのですが、それでも一日に数件重なると、さすがにくたくたになります(苦笑)。
しかし、福島先生は命に即繋がる危険な手術を一日に何件か掛け持ちする事もある。
で、先ほどの件に戻りますが、自分の名前を連呼するのは、性格的に自信に溢れ、チャレンジ精神が旺盛な方が多いと思います。
歯科医師の世界でも、私は自分で開業してから、外科系(観血処置)の勉強会に長く在籍していますが、一般的な傾向としては、何でも自分でチャレンジしてみたいという野心の強い先生が多い気がするのです。
冷静に自分の事を振り返ってみると、他の先生が敬遠するような手術を積極的に勉強してモノにしてきた気がします。ただ、大変言い辛いのですが、多くの失敗もしてきました。
これは私に限らず他の外科系の先生全般に言えると思います。
これは無謀というのではなく、自分の可能性を広げたいという純粋な気持ちが強いのだと思います。
私は幸運な事に、外科系の世界以外に、矯正歯科の世界にも足を踏み込みました。
この世界は今まで自分が在籍していた世界と雰囲気が全く違いすぎるのを肌で感じた事があります。
とにかく、どの様な症例もチャレンジしてみようという世界ではなく、冷静に診査・診断に重点を置き、自分には出来ない症例は断るという英断も出来る。
今までの私なら、自分にはちょっと難しいかなと思われた症例は、とりあえず診査・診断してみて、自分の出来る技術を駆使して治療してみようと考えるのですが、外科系以外(今回の矯正)の先生方は、『出来ないものは、出来ない』と自分の主張をはっきりと述べる方が多いのかもしれません。
長年、外科系の考え方をしていた自分にはとても勉強になりました。何でも自分で背負い込んでしまい、責任を感じてしまっていたのですが、最初から診査・診断技術を確実に身につけて患者さんに丁寧に説明し、術後の不快感及び治療出来ないのであればその理由を説明し納得して頂くのも必要な事だと認識出来ました。
私と一緒に、この矯正の勉強会に参加した外科系の先生方のホームページを見ても、やはり積極的だと思います。すぐに自院で紹介し、ご自分の治療に取り入れている。まだまだ治療が完全じゃないにしろ、とにかくやってみるという感じなんです(笑)。
例えが貧弱ですが、外科系はアクション小説、内科系(今回は矯正に例えます)はサスペンス小説と言ったところでしょうか。外科系はドンパチ、内科系はシリアス。どっちも面白いのですが(笑)。
前述の脳外科医の福島先生も、当初、同僚に必ず言われているはずです。「そんな危険な手術はやめときなっ」って。でもそこに自分の可能性を見いだして、努力を重ねたのだと思います。
自分は、もともとは外科系の考え方をしていたのですが、今後は内科系の考えかたも積極的に取り入れていこうかと考えています。
なんだか自分でこのブログを書いていて、収拾がつかなくなってしまいました(苦笑)
外科系が良い、内科系が悪い、外科系が悪い、内科系が良いとかが言いたいんじゃなくて、医師には診療のタイプがあって然るべきで、最終的な患者さんの健康というゴールは一緒なのですよって言いたかったの(笑)。
福島先生の写真は福島先生のHPより。
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