32本の歯が示すアンチエイジングな生活
本日は、坂本洋介先生の著書『元気でキレイは口元から~アンチエイジング歯科のすべて~』よりお届けいたします。
◇動物や人間の歯
動物によって歯の形や本数はいろいろです。
ライオンなど肉食獣の歯は、前歯が上に4本、下に5本あり、その横には大きく鋭い犬歯、奥にも尖った歯が4,5本生えています。どの歯も牙のように尖っていているのが特徴で、平たい歯はありません。獲物を襲って肉を引き裂くのに適した歯ばかりで、草や木の実などをすり潰して食べる食物に適した歯は必要ないのです。
これに対して、草食動物のウシの歯は、上に6本、下に10本あります。前歯は下だけで上にはありません(上は歯ぐきのみ)。その他の歯は平べったい臼状です。草を舌で巻き取り、前歯で切って奥歯でかみ砕くのに適した構造です。
一方、人間の永久歯は、親知らずを含めると上下各16本で、計32本あります。
このうち、野菜や果物を噛むための門歯(前歯)は8本、肉を切り裂く犬歯(糸切り歯)は4本、穀物を砕いてすりつぶす臼歯は20本となっています。
人間は、肉も野菜も食べる雑食動物ですが、歯のバランスを考えると肉と野菜のバランスも歯と同じ比率にするのが理想ということになります。
つまり、肉1:野菜2・穀物4の割合で食事をとることが健康の秘訣になるのです。肉食に偏りがちな私たちの食生活への警鐘がこんなところにも表れているのです。
◇ネコはむし歯にならない
ここで、もっとも身近な動物であるネコの例を挙げてみましょう。皆さんは、ネコにむし歯がないことをご存じですか?
事実そのとおりで、ネコがむし歯にならないのには二つ理由があります。歯はすき間だらけで、針のようにとがった形をしています。そのために汚れが残りずらいのと、ネコは甘みを感じないので、むし歯の原因となる甘みを口にしないらしいのです。
しかしながら、ネコにも歯周病が見られ、歯の周りに付着する歯石が原因で、歯が抜けたり溶けたりするそうです。
参考文献 元気でキレイは口元から~アンチエイジング歯科のすべて 坂本洋介著 北海道新聞社
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