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2008年8月 9日 (土)

歯磨きのヒント1

本日は、青山先生の「よくわかる家庭の歯学」よりお届けします。

☆人間だけがするブラッシング

以前患者さんから、「人間はブラッシングをするようになったから、虫歯や歯周病の菌に対する抵抗力がなくなってきたのではないか」と質問され、考えさせられたことがあります。

人間は動物の一種なのに、人間だけがなぜブラッシングをするのでしょうか。この患者さんへの答えのポイントは二つあります。

一つ目は、時代とともに、食べ物があまり噛まなくてもいいような軟らかいものになってきているということです。火さえ使わない時代や、包丁などのない時代には、歯が包丁がわりになって、硬いものも歯で噛みきっていました。この硬いものを歯で噛みきるという行為が、今のブラッシングと同じ役割をして、歯の表面についたプラーク(細菌)を取り除いたり、歯肉のブラッシングと同じ役割をして、歯の表面についたプラーク(細菌)を取り除いたり、歯肉をマッサージする効果があったのです。

それが、時代とともに食べ物が軟らかくなってきて、歯の表面にプラークもつきやすくなり、ブラッシングをしないと細菌だらけの状態になってきてしまったのです。

その証拠に、犬や猫がドッグフードのような軟らかい食べ物を食べるようになり、歯周病になり始めているのです。犬や猫でさえ、本来の硬い食べ物を食べていれば防げたであろう病気を、軟らかい食べ物が主食になると、人間と同じ病気になってしまうのです。

二つ目は、昔は人生50年といわれ、今よりも人生が短かったので、食べ物の硬さの効果と併せて、それくらいの期間はどうにか歯を持ちこたえる事が出来たのです。

しかし、今では平均寿命でさえ80歳を超える時代ですし、食べ物も軟らかく歯に付着しやすいですから、一年でも長く自分の歯で生活していくためには、ブラッシングはどうしても欠かせなくなってしまったのです。

☆食後すぐの歯磨きはあまり意味がない

私が学生のころ、食後3分以内に3分以上のブラッシングを一日3回しようという「3.3.3運動」を習いました。そしてそれをそのまま患者さんに勧めていた時代がありました。しかし、これはあまり意味のないことだったのです。その理由について述べます。

①食後3分以内のブラッシング

食事や間食などをすると口の中が酸性になるので、食後なるべく早くブラッシングをするべきだという考えから3分以内にブラッシングをしようとすることが言われるようになりました。この理屈には一理あります。口の中はお茶や水で軽くゆすいだり、ガムなどによる唾液でも中性に近づきます。早くブラッシング出来るなら早いにこしたことはないのですが、食後3分以内に歯を磨くことは現実には不可能な場合が多く、そんなに神経質になる必要はありません、食後早く磨くことができるなら磨いた方がいいというぐらいの気持ちでいいでしょう。

②3分以上のブラッシング

このことに関して否定するつもりはありませんが、より深く理解してもらうためあえて言えば、磨くべき箇所ではなく歯の表面ばかりを何分磨いても無意味なことを理解しておいてください。学校の試験で例えると試験によくでる問題を能率的に短時間勉強する人と、ほとんどでないような箇所ばかりを長い時間かけて勉強する人とでは、どちらのほうの点数が高いかは明らかでしょう。

試験勉強でこんなに非能率的なことをする人はほとんどいないのに、ブラッシングに関してはこのような非能率的なことをしている人がほとんどで、いくら磨いても虫歯になるからと、電動歯ブラシを買ったり、歯磨き粉を変えたりされるのですが、本当に磨くべき箇所を理解してさえいれば、短時間のブラッシングでも十分な虫歯予防は可能なのです。

③一日3回のブラッシング

これに関しても、3回ブラッシングをすることはいいことであり、何も問題ありませんが、一日3回ブラッシングをしないから虫歯や歯周病になるわけではありません。プラーク(歯の細菌)が歯石のように歯ブラシで除去できない状態になるには24時間以上かかるといわれています。

したがって、同じ箇所だけを適当に一日3回磨くよりは、たとえ一日一回でも隅々まで細かく磨く方が断然効果的なのです。②③でも述べたように、時間や回数が問題なのではなく、どの箇所をどういうふうに磨くかが重要なので、その知識を得るために歯科医院をどんどん利用するべきです。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房

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