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2008年6月 1日 (日)

入れ歯相談所1

今回は、佐藤満先生の著書「入れ歯相談所」よりお届けいたします。

悩み1 口をあけると上の入れ歯が外れてしまいます。

口をあけるたびに上野入れ歯が落ちてきます。いつも外れてしまうのか心配で、口を大きくあけることも出来ません。話すことも食事も落ち着いて出来ません。どうすれば良いのでしょうか?

解決法

患者さんにとって最悪の入れ歯は口をあけると落ちてくる入れ歯であることはいうまでもありません。落ちてくる理由としては5つの原因が考えられます。入れ歯の大きさ、厚さ、噛み合わせ、歯の位置、歯肉との適合です。

まず大きさですが、入れ歯の縁が長すぎる場合です。口を閉じている状態と開けた状態とでは筋肉の動きで頬の粘膜の一番深い位置が変化します。そのため長すぎると口を開けた時に頬の粘膜に押し上げられて、外れる力が加わります。

入れ歯の縁が厚すぎる時も、同じように頬の粘膜の動きに影響されます。これは指を入れてみるとすぐ理解して頂けると思います。頬と歯の間にあるくぼみに指を入れてみてください。閉じた状態から口を開けると指が頬に押されるのがわかると思います。これが厚すぎたら外れる理由です。

次ぎに噛み合わせです。左右均等に噛み合っていないと入れ歯は安定しません。ゆっくりと上の歯と下の歯を合わせてみてください。どこか先にあたる歯や滑りながら噛み合ったりしていませんか?もしそうなら噛み合わせの調整が必要となります。

歯の位置も重要です。特に前歯ですが、前の方に並べられている唇の力によって押さえつけられると外れてしまいます。入れ歯は患者さんの口をかたどった模型で造られますが、そこに唇や頬などは存在しません。したがって入れ歯を造っていく段階で歯を並べるのにちょうど良い場所を患者さんと一緒に探っていかなければならないわけです。

最後に適合性です。入れ歯と歯肉がどれだけぴったりと隙間なくくついているかです。ぴったりしていたら吸着力が働きます。ちょうど吸盤がくっつくのと同じように、歯肉に入れ歯が吸い付き落ちなくなります。適合が悪いと吸着力が働かず簡単に落ちてしまいます。

以上のような原因があると入れ歯は外れやすくなります。入れ歯は本来あるべき位置におさまらなければなりません。その位置をデンチャースペースといいます。技術的にも非常に難しいのですが、頬に寄りすぎず、舌に寄りすぎず、ちょうどぴったり収まる位置を見つけて入れ歯を造っていかなければなりません。

参考文献 入れ歯相談所 佐藤満著 ブイツーソリューション・星雲社

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