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しろくま先生のブログ
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2008年5月28日 (水)

虫歯で死ぬこともある

本日は、野田先生の著書「歯周病で死ぬのはイヤだ!」よりお届けいたします。

虫歯で死ぬこともある

あるサラリーマンの方の歯肉が、腫れるようになりました。しかたなく歯科医院を訪れたところ、歯肉を切開して膿みを出したそうです。帰宅後、急に熱が出てきて、しかも悪寒と胸の痛みを訴えて立つことが出来なくなりました。慌てて救急車を呼んで病院に行きました。

原因は、歯肉の血管から入った細菌が、肺にまわった結果の肺炎でした。しかも、もし体力が落ちていたり、ほかになにか持病でもあったら、命も危なかった、と医師にいわれたそうです。

本人は、まさか菌が原因で命の危険にさらされるなんて思いもしなかったよ、歯を軽くみていたな、と反省しきりでした。

また、平成19年3月12日の産経新聞には、黒人の少年が虫歯で死亡したという記事が載りました。「米メリーランド州で先月末、12歳の貧しい黒人少年が虫歯を悪化させ死亡した。貧困差が最低限の医療さえ受けられない格差社会の現実を浮き彫りにした。デーモンド・ドライバー君は今年1月、ひどい歯痛を母親に訴えた。病院に運び込まれた時虫歯の黴菌が脳にまわっていた。二度の手術を受けたが、先月25日に死亡した」(ワシントン=渡辺浩生)

さらに、高齢者の方では、次のようなことが起こります。

右の下の奥歯が痛かったそうですが、たいしたことはないだろうと旅行に出かけました。旅先から帰ってきても痛みが治まらないため、歯科医院で抗菌剤を処方されました。

翌日、症状が悪化したため、内科へ紹介されました。内科では、点滴で抗菌剤を二日間投与しましたが、症状はよくなりません。そこで、総合病院へ転送されました。総合病院の検査では、未治療の糖尿病が明らかになりましたが、翌日敗血症ショックで亡くなりました。

このように、かくれ糖尿病などの持病をもつ場合、歯の病気は命に関わることになります。

*菌血症と敗血症

一般に、手や足に切り傷などが出来た場合、すぐに傷口を洗います。消毒薬がある場合には、薬を使って消毒します。

これは、細菌が傷口から入り、血管を通って体全体にまわらないようにするために行われます。

同様に虫歯菌や歯周病菌も、虫歯の穴や弱った歯肉を通して血管に入ります。症状が軽い場合、これを菌血症と呼びます。さらに、侵入した細菌が増えて、全身性の炎症反応を起こした場合を敗血症と呼びます。細菌は血管を通じて体の中の臓器に運ばれて、サイトカインストームと呼ばれる全身性の炎症反応を起こし、生理活性物質が身体中で大暴れして多臓器不全を起こします。

参考文献 歯周病で死ぬはイヤだ! 野田隆夫 野田雅代共著 光人社

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