女性の歯が危ない時期
本日は、宮田隆先生の「老けない人は歯がちがう」からお届けいたします。
出産。更年期は歯が危ない
女性の場合は、歯周病にかかりやすい時期として、「妊娠出産期」と「更年期」が上げられます。これは女性ホルモンが大きな要因です。
子供を産んで、歯がガタガタになってという話を聞きますが、確かに妊娠中や出産後に歯周病を発症する人は少なくありません。
妊娠中は、女性ホルモンが増えて、ホルモンバランスが大きく変わります。実はこの女性ホルモンは歯周病菌の活力源で、血中の女性ホルモンの増加は、口腔内の菌が増加するまたとないチャンスなのです。
つわりによる吐き気のために、歯ブラシを口に入れるのにも抵抗を覚える人もいます。それによって、歯のケアがおろそかになり、また、妊娠による歯の治療制限などもあり、妊娠・出産期は、歯にとって悪条件が重なりやすい時期ととらえる必要があります。
妊娠に歯周病があると、早産を誘発し、体重が2500gに満たない低出生体重児を生みやすくなります。
これは、歯周病の炎症によって発症するサイトカインという刺激伝達物質が、妊娠の子宮筋を収縮させて出産を促してしまうためで、早産や低出生体重児を生む確率は、通常の7倍にもおよびます。
早産は、赤ちゃんの虚弱体質、知能や運動能力などのあらゆる障害を引き起こすリスクを高めます。歯周病を治せば、早産の18%は未然に防ぐことが出来ると言われており、出来れば妊娠前に一度歯科で診断を受けて、歯肉の健康状態をチェックすべきです。お母さんが歯の健康をないがしろにすることは、生まれてくる赤ちゃんを危険にさらすことになるのです。
ホルモンが大きく変わる、もう一つの時期が「更年期」です。
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンには骨を強化する働きがあります。
エストロゲンが急激に減少する更年期は、骨密度が低下して、歯を支えている歯槽骨にもダメージがおよぶとの説が有力になってきました。
さらに、更年期は自律神経失調症を起こしやすくなります。それにより体の免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。
もっと日常的な小さな周期では、月経も歯に影響を与えることがあります。月経前になると、女性ホルモンが増加するため、イライラや腹痛といった症状の他に、歯肉が腫れたり、出血しやすくなる人がいます。とくに月経前症候群(PMS)という月経前の体調不良がある人に多いようです。
参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社
両方通り抜けた身ですので 思いあたることだらけ、
自覚して歩きます。