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しろくま先生のブログ
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2007年3月 6日 (火)

入れ歯安定剤について

本日は、歯科技工士さんが書いた本「入れ歯至急相談室 宮野たかよし著 現代書林」から、入れ歯安定剤についてお届けします。

入れ歯安定剤の恐怖

連日テレビCMなどで紹介されている「入れ歯安定剤」が、歯肉にとって、どんなに危険なものか、皆さんはご存じでしょうか。

最初は1日1回しか付けていなかったのに、それが2回3回と増えていき、挙げ句の果てに、食べるたびに付けなくてはならなくなってきます。

このように、「入れ歯安定剤」を毎日使っていると、歯肉がこんにゃくのようにぐにゃぐにゃになってしまいます。なぜでしょうか?

入れ歯安定剤を使うと、今日はA、翌日は少しずれてBという具合に、入れ歯が安定する位置が毎日すこしずつ違ってきます。

すると、入れ歯の下の歯肉はいつも違った位置で力をくわえられる事になり、それが続くとぐにゃぐにゃしたこんにゃく状粘膜になってしまうのです。

そして最後には、入れ歯を支える土手のようなふくらみが無くなり、入れ歯自体もはめられなくなってしまいます。

安定剤の取り扱い説明書にも、よく見ると「長期の使用は歯ぐきに悪影響を与えるかもしれません」と書いてあります。

入れ歯は正しい位置に付けて同じように噛んでいると、歯肉がマッサージされ引き締まってきます。安定剤はやめて、きちんとした入れ歯で、歯肉を健康にしましょう。

少し付け足しなのですが、やはり入れ歯安定剤は、あまり歯肉や歯肉を支える骨に良い影響は与えないみたいです。

大学に在籍していたとき、この安定剤を麻薬のように使い続ける患者さんがいました。合わない入れ歯をこの安定剤で無理矢理歯肉に押しつけるので、骨が吸収してしまうのです。

入れ歯は歯肉の中の骨の量が多ければ多いほど、はずれにくい入れ歯になります。しかし、骨が吸収してしまう事により、上記に書いたようなこんにゃく状顎提(フラビーガムといいます)になってしまいます。

しかし、顎にぴったり合っている良い状態の入れ歯に使用すると、非常に優れた威力を発揮します。安定剤を使用する場合は、一度、歯科医で入れ歯の調整を行ってからの方が良いかもしれません。

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