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2006年6月20日 (火)

噛む健康学10

よく噛めば肥満防止になる

今回のテーマは自分自身でも経験していることなので、自分の意見もふまえつつ、斉藤滋先生の本を軸に話を進めて行きましょう。

「噛む」という行為は、当然筋肉を動かして行っているわけです。そのため、筋肉の動きやそれに伴う刺激などの感覚情報は、すべて脳に伝達されて行きます。

食物などを噛み始めると、それに伴う感覚情報が、まず歯を骨にくっつけている歯根膜などで捉えられ、脳の三叉神経中脳路核という中枢に入力されます。

すると、隣接する後部視床下部が刺激されて、大量の神経系ヒスタミンという物質の生成が促進されます。

この「神経系ヒスタミン」という物質の生成が、肥満防止の鍵だというのです。

・満腹中枢を刺激して、食べ過ぎを防ぐ

この神経系ヒスタミンによって作動する神経回路が満腹中枢を活性化することは、多くの研究者によって確認されています。

したがって、食物を噛むという行為そのものが満腹中枢を刺激しますから、よく噛んで食べれば「もうお腹がいっぱいになった」という感覚が生まれ、食べ過ぎを防いでくれるというわけです。

しかし、よく噛まない「早食い」をすると、この満腹中枢は作動しません。

ですから、ファーストフードなどよく噛まないで腹がふくれるほど食べても、ズボンのベルトを緩めて更に食べ続けてしまうのだそうです。

やわらかい食物は、よく噛まないでも飲み込む事が出来ますから、特にこの傾向が顕著になります。「好物は別腹」「美味しくてどうにもとまらない」といった状態は、明らかに満腹中枢が働いていない証拠なのです。

一方、満腹中枢は、別のルートでも活性化します。

やはり、噛むという行為により、肝臓や筋肉などに貯蔵されている糖分(グリコーゲン)がグルコースという形で血液中に放出され、血糖値が上がります。

この信号が脳に届くと、満腹感を作り出すさまざまな化学物質が増えて、脳の満腹中枢を活性化し、食べ過ぎをストップさせてくれるのです。

ネコの満腹中枢を破壊する実験をしてみると、満腹感がえられず、食物を食べ続けてしまい、子犬ほどのおおきな体になってしまうといいます。

「満腹を感じる」ことの大切さを改めて考えるきっかけになれば。明日も続きます。

参考文献 よく噛んで食べる 斉藤滋 NHK出版

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しろくませんせ、こんにちは。
ううむ、よく咬まないといけませんね…。
ここに来ると患者さんへの話ネタが増えます・笑。
LED照射器なら最近は60000円くらいからありますよ。ただし波長が少し違うのでホワイトコート・トップコート・ブライトナーあたりは固まりませんが、ここらへんは旧照射器でちんたら照射してます…。
矯正の勉強会…楽しいです。ワイヤー曲げ。あと4回頑張ります!


須田先生
こんにちは。私も大学が主催するMTMへ参加したことがあります。とても楽しかった事を覚えています。でも臨床ではやったことがありません。とほほ。

by しろくま | 2006/06/20 15:36:47

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