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しろくま先生のブログ
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2010年2月28日 (日)

無茶な設計は、患者さんに迷惑です。

ある新患さんがお見えになったときの事です。

主訴を聞くと、前歯に動揺があり、食事のたびに痛いとのこと。

早速、レントゲン写真を撮り確認してみました。

確かに、主訴の部位の歯の骨が吸収をはじめています。

衛生士さんが取った問診表には、排膿(膿みが出ている)との記載もあります。

しかし、問題は口の中に大きなインプラントが5本も埋入されているのです。

しかもそのインプラントは、昨年入れたというのです。

インプラントを埋入する時の条件として、身体的なリスクがないこと、もしくはコントロールされていること(糖尿病とか高血圧とか)、口腔内に歯周疾患のリスクが少ないこと、患者さんに充分な説明がなされていることがあると思いますし、私はそう習ってきました。

インプラントは一度骨に生着してしまうと、もう外すことが出来ないのです。感染を起こせば、簡単に外れてくれるインプラント(私はこのタイプを使用しています)もありますが、最近のインプラントは、感染が起こっても外れないような表面構造をしていることが多いのです。そのため、感染が起こっても、悪くなっているように見えないのです。

この患者さんは、9本もの歯は保存不可で抜歯しなければなりません。1年や2年でこのような状態になったとは考えにくいです。つまり、インプラントの埋入手術を行う時に、主治医には、重大な歯周疾患があることは、わかっていたはずです。

インプラントは、先ほども述べたとおり、感染が起こっても外れにくいタイプでしたので、自然に外れてはくれません。しかし、この患者さんのエックス線写真を診るとこのインプラントにまで感染はおよんでいますが、このインプラントを外すには、骨ごと削るしか方法はありません。

インプラントを外さないと、骨が吸収を始め、今後、またインプラントを入れることも難しくなりますし、入れ歯にしても安定を欠く物になるでしょう。

また、患者さんは、身体的にリスクがあります。患者さんにお伺いした所、なんの説明もなく、血液検査もしなかったそうです。インプラント保証に関しても聞いていないとのこと。ただ金額が安いだけで、インプラントを入れたら後は知らないでは、あまりに患者さんがかわいそうです。

患者さんに入っているインプラントを調べました。そのインプラントの売りは、「簡単で素早くインプラントが出来る」ということでした。

簡単で、素早くというのは、それだけリスクも高いというこを覚えていた方がいいです。そのメーカーは、歯科医師が簡単に導入できる、というだけで患者さんのことは二の次のような気がしました。

今日はとりとめのない内容になってしまいましたが、まだ怒りが収まりません。

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