微笑む人 貫井徳郎著
この本は、家族とラーメンを食べた帰りに、偶然立ち寄った本屋で発見した新作。
しかも、出たばかりの所を購入出来たので、とてもラッキーでした。
最近、全く本屋へ行かなくなってしまったので、お気に入りの作家の新作を見つける事が難しくなってきているのです。
自宅に戻り、その時読んでいた本を、気合いで読み切り、早速読み始めました。
物語は、エリート銀行員が、妻子を殺害した所から始まります。そのエリート銀行員は、とても温厚で頼りがいがあり、身長も高く、顔も彫りが深く美形の部類に入るというとても恵まれた人生を送っている。彼は、川で妻子がおぼれたしまったと救急車を要請しますが、その川で実は、妻子を溺れさせ、殺害している場所を目撃されてしまっていて、彼の完全犯罪がもろくも崩れてしまいます。
誰もが羨む人生を送っていて、なに不自由なく生活していた彼が妻子を殺した動機が、『本を置く場所に困ったので・・・・』という全く不可解な理由なのです。その怪奇な事件を一人の作家が取材を重ねていく。
作家が彼の今までの知人や関係者を次々と取材して行くうちに、多くの疑わしい事件に遭遇するが、その結果・・・・・。という内容。
最後は、読んでいる私が世の中の何を信じてこれからを生きていけばよいのだろうと疑心暗鬼にとらわれました。
貫井徳郎さんは新作を出すに度に、力作を出されるので、ファンとしては嬉しい限り。いったいこのアイディアはどこから出ているのだろう。
今年出版した『新月譚』もこの『微笑む人』も時間を経て再読して見たいです。
いや~楽しめました。
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