開業してすでに８年経ちました。早いものです。

毎日診療していくだけの機材、材料はそろっていると思います。

しかし、まだまだ・・・。

開業してつくづく思うのは、歯科の発展は材料の発展に比例していく一面もあると思います。

私がまだ歯科大学の学生の頃は、プレスチック材料のレジンというものは、強度不足のため、審美的領域（前歯）にしか使えませんでした。しかし、材料の中のフィラーの改良により、強度のかかる臼歯部にも応用出来るようになったのです。

応用が出来るようになると、今度は先生方や研究機関がさらに試験や研究を重ね、次の使いやすい材料が出来てくる。

こうした正のスパイラルが何十にも重なって歯科の発展があると思います。

しかし、こうした発展した材料は、実際に臨床応用しないとスキルとして身につきません。

私はよく講習会に参加させてもらいますが、講師の先生方は新しい材料をいち早く使用し、考察を重ね、成功を積み重ねていっていると感じます。

とにかく、新しい治療への渇望と好奇心、探求心がないと上には上がれないのかもしれません。

私はそうした先生方には及ばないものの、出来るだけ追従していきたいと思っています。

また、こうした最先端の材料はとても高価。しかし、この壁を乗り越えないと次が見えない。

出来るだけ新しい材料を購入して、研鑽を重ねています。

しかし、こういう生活をしていると歯科一辺倒の生活になってしまいます。

それにしても歯科材料は高い。

材料を買うために歯科の治療をしているような気さえします。

今も、カタログを前に電卓をはじき、そばに控えている材料屋さんに、

『ぶ、分割でもいいでしょうか・・・・・』

と、猫なで声を出す私なのでした・・・。