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しろくま先生のブログ
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2011年3月20日 (日)

Cafe Bohemia

大地震の日は、ちょうど患者さんのX線写真を撮ろうとしている時でした。

右下奥歯が噛むと痛みがあるとのこと。視診、触診では異常が見られなかったためにエックス線を撮影してみましょう、、、、ということだったと思います。

午後の診療は本来3時からなのですが、この1年くらいまえから2時半からするようになってしまいました。朝は9時からなのですが、なぜか8時40分から(笑)

地震の起きた2時46分は午後に入り、ちょうど3人目の患者さんでした。

大地震の起きる3日ほどまえから、小さな地震は昼夜とわず起きていました。そのため、また、すぐに治まるだろうと思って、エックス線を撮影する患者さんには、

「ちょっと地震が収まるまで待ちましょう」といい、私はエックス線の準備に向かいました。

そのときです。縦波の大きな揺れが来たのは。

私は、すぐに従業員の裏口に走りドアを開け放ちました。以前、ドアが変形して出られなくなった話を本で読んだことがあったから。

そのドアからみた外の風景はとても不思議なものでした。従業員の車が縦に跳ねて、となりの家の瓦がビュンビュン飛んでいたのです。

振り向き、診療室の方に目を向けると、衛生士の一人がユニットに掴まって、さも、揺れの激しい船から振り落とされないようにしているみたいでした。

そこから、二階の家族の元へ揺れている階段を駆け上がりました。

家族は妻が子ども二人を抱えてテーブルの下に隠れていました。

まだまだ揺れは治まらず、1階の診療室へ戻ってみると、従業員が患者さんを駐車場に誘導していました。

奇しくも外は小雪が舞う寒い日でした。医院にあるすべての毛布を患者さんに与え、落ち着いてからそれそれ避難したもらいました。

地震が治まった後、院内をチェックしてみました。棚にあるすべてのものが落ち、壁の一部には歪んだあとがみられました。

エックス線室の中はあの重いパノラマエックス線が大きく前方に移動し、前方の器具に触れていました。

患者さんをエックス線室に入れていないで本当に良かったと思いました。

電気は非常電源に切り替わり、水道は止まり、電話は不通になっていました。

あれから、1週間。

ようやく落ち着いていました。

自分の部屋ではちらかったCDを棚に戻し、完全に壊れてしまったオーディオを廃棄し、物が減ったため、かなりあっさりとした部屋で、今日も整理しています。

高校生から大学に入るときに夢中で聞いたCDを手に取り、懐かしさに時が止まります。

今は、原発の影響とガソリンが無いため、従業員が出社出来ず、水圧も低く、機材の故障も心配なので診療はしていないのです。

時間はあります。

避難はせず、自宅にずっと閉じこもっているのですが、暇なため、片付けの合間にCDを1つ1つ眺め、昔の思い出に浸っています。

今聞いているのは、佐野元春の『Cafe Bohemia』

とても懐かしく、ちょっとよい時間を過ごしました。

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