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2009年3月10日 (火)

 減量の力                                          

本日は、川田造志先生の著書『HEALTH HACKS!』よりお届けいたします。

◇減量の力

ガンが死因ナンバー1の日本人にとって肥満が本当に怖いのは、肥満が糖尿病や高血圧、心臓病などの原因になるだけでなく、強力なガンの誘発因子にもなるからです。

肥満は、すでに食道ガン、膵ガン、腎ガン、乳ガン、大腸ガン、子宮体ガンなどの確実な危険因子に認定されています。肝臓ガンや胆嚢ガン、膵臓ガン、悪性リンパ腫などの原因となるkとも、おそらく確実と考えられています。

では、どうして肥満がガンの原因になるのでしょうか?

それは、〈エピジェネティクス〉というメカニズムが大きく関わっているとされています。エピジェネティクスというのは、生まれた後のさまざまな原因によって遺伝子の発現が変化する現象で、遺伝子の周りに起こるいろいろな化学変化によってもたらされます。

エピジェネティクスは、私たちの体の形成にたいへん重要な働きをしています。体を構成している六十兆個の細胞は、みな同じ遺伝子をもっているのに、それらがさまざまな臓器組織を作り出すのは、全遺伝子のうちで作動する遺伝子の組み合わせが、エピジェネティクスによって細胞ごとに変化するのです。

このエピジェネティクス、生まれたあとの性格や行動までも形成することがわかってきています。

たとえば、母ネズミが子ネズミの背中をなめてあげるのは、愛情表現のひとつです。(人間でいえば、わが子を抱きしめてなでるようなものでしょうか)が、この愛情表現を受けずに育ったネズミは、新しく出会ったものに恐怖心を抱いたり、餌をうまく食べられなかったりします。

これは、生後のごく僅かな期間(一週間)に、背中をなめられなかったために遺伝子のエピジェネティクスが起こらなくなることが原因です。

また、低体重で出生した子どもがその後の人生で肥満になりやすいのも、お腹の中にいる間にエピジェネティクスが起こって、少ないエネルギー消費量で生き残れるように〈倹約遺伝子〉が作動して、エネルギー消費量が低下する(つまり燃費が良くなる)ためと考えられています。

このように、私たちの生活の中にとても大きな影響を及ぼしているエピジェネティクスは、なんと肥満になることによっても起こります。その結果、ガン遺伝子が作動することになるのです。

一方で、カロリー制限をしてもやはりエピジェネティクスは起こり、その結果、ガン遺伝子の発現が抑えられることもわかっています。

また、減量の際には、カロリー制限に有酸素運動を組み合わせるといっそう効果的ですが、運動にもガンを抑える効果があることが分かっています。

大腸ガンは、いまや日本人の死因のおもなものの一つとなっていますが、運動はこの大腸ガンを確実に予防する強力な因子です。さらに、乳ガンの予防効果があることもほぼ確実とされていますので、女性の強い味方ともいえます。

そして、これらの運動のガン予防も、やはりエピジェネティクスによると考えられているのです。

異常のように、体重の増減はエピジェネティクスを誘導して私たちの人生を左右することが化学的に証明されています。

ですので、食事と運動をうまく組み合わせた減量で、体にとってよいエピジェネティクスを誘導し、ガンを防いで、未来を好転させましょう。

参考文献  『HEALTH HACKS!』 川田造志著  ディスカバー

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「HEALTH HACKS!」著者の川田浩志です。このたびは拙著のご紹介をまことにありがとうございました。のちほど、私のブログからリンクをはらせていただきたいと存じますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


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