古代人の食生活を推定
本日は、デンタルトリビューン紙2009年2月号よりお届けいたします。
◇プラークで古代人の食生活を推定
〔米国〕数千年前に、現在のペルーにあたる地域に暮らしていた人々はどのような食生活をしていたのでしょう。
当時の口腔衛生状態が不良だったおかげで詳細に解明する手がかりを得ることができ、彼らが栽培していたと思われるカボチャや豆など農作物の痕跡が見つかったことがThe proccedings of theNational Academy of Sciences USA 〔2008:105:19622-19627〕に掲載されました。
◇農作物の栽培も
同研究は、スミソニアン熱帯研究所および国立科学博物館所属研究員のDolores Piperon氏と、バンダービルド大学考古学教授のTom Dillehay氏によって行われました。同氏らは、およそ5.500~9.200年前のペルー北部Nanchoc谷の定住地跡と思わしき円形家屋状構造体から発掘された、6~8人のヒトから採取した39本の歯を対象とし、採取したプラークを分析しました。
その結果、豆、ピーナッツ、カボチャ、現地でパカイと呼ばれるフルーツを食べていたらしいことがわかりました。
これらの歯は、6.970~8.210年前のものと同定されました。ほとんどの歯からデンプン質穀類が検出され、約1/3の歯には大量のデンプン質穀類が付着していました。
同氏らは「本研究の結果から、これらの時代には既に農作物の栽培が行われており、当時の食生活の痕跡が現代に至るまで保存されていたことがわかりました。さらに、それらの穀類のなかには調理されているものもあったようだ」と指摘し、「歯から採取された穀類の詳細な分析によって、ネアンデルタール人と現代人との栄養学的差異など、古代人のさまざまな謎が明らかにされることが期待される」とまとめました。
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