オバマ政権の医療政策への期待
本日は、デンタルトリビューン紙2009年2月号よりお届けいたします。
◇オバマ政権の医療政策への期待
(英国)米国で誕生したオバマ新政権において、医療を巡る問題が象徴的な政治課題となるだろうとの巻頭論評がLancet〔2008;372:1707〕に発表されました。
◇包括的医療システム構築
論評では「約4600万人の無保険者が医療を受けられるようにするためには、医療システムの強化を最優先課題として取り組む必要がある。
オバマ氏が掲げる支払い選択肢の拡大や、すべての小児を医療保険に加入させるという公約、保険会社に既存の疾患も保険でカバーさせるといった改革案は、包括的な医療システムの構築に向けた前向きな第一歩である」と期待を示しています。さらに英国のブラウン首相が「オバマ氏が国内外の健康格差問題に取り組むことを公約した」と述べていることは心強いと評価しています。
また、ブッシュ前政権で続いた国連との緊張関係を改善する必要性を指摘し、「世界保健機関(WHO)への資金援助も含めた支援の拡大は、国際社会におけるグローバル・ヘルス問題への取り組みに米国が再び参加する意志を示すことになるだろう」としています。
◇歯科医師には不安の声も
〔米国〕米国大統領での民主党の勝利を、歯科医師の多くは必ずしも歓迎していないことが、歯科開業専門マーケティング会社The Wealthy Dentist社のアンケートに回答した歯科医師の70%が、歯科医師にとっては共和党のマケイン氏の方がよかったと答えており、オバマ氏の支持は16%にとどまっています。
一般に共和党は高所得者層を優遇する政策をとるとされ、歯科医師の多くは共和党を支持する傾向があるとされています。
ルイジアナ州のある歯科医師は、「オバマ大統領の高所得者に対する課税強化政策により、高額所得者世帯が歯科治療に当てる支出は縮小するだろう」との懸念を示します。
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