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2007年10月18日 (木)

カエルの呼吸、人とこんなに違う

突然ですが、私はカエルが大嫌いです。でもカエルの話。

でも今日は、そんな話。話のネタは医歯薬出版「のどちんこの話」からです。

カエルの呼吸、人とこんなに違う

カエルは両生類で、オタマジャクシは鰓(えら)呼吸、カエルは肺呼吸ということは、小学生の理科で学んだと思います。

人も肺呼吸ですが、カエルのものとは少し異なります。カエルの呼吸はいわゆる「頬から顎の下をふくらませること」が主体となった呼吸です。

カエルの口の中は「のどちんこ」がありません。口腔と鼻腔の境目がない、すなわち口蓋(くちの天井)そのものがないのです。口腔と鼻腔が一体になっている鼻の穴と肺の入り口に弁があるだけなのです。

カエルの呼吸運動の主体は口の中にあります。口を膨らまして鼻の穴を通じて外から空気を取り入れ、もともとあった口の中の空気と混ぜ、次ぎに鼻腔と口裂(口)を閉じて、口の中を小さくして、混合した空気を肺へ送り込むのです。いわば口の中がポンプの役割をしています。そのため外の空気が一気に肺に入る人に比べると、非常に高率の悪い呼吸をしています(口腔咽頭呼吸)。

肺を拡張させたり、収縮させたりする胸の筋肉が発達していないカエルでは、この方法しか無いのかもしれません。空気をはき出す時もまず、口の中を膨らまして肺の空気を引き出し、口の中を小さくする事によって外に空気を送り出すのです。

一方、人は横隔膜と胸部の筋肉が呼吸の原動力です。いきなり肺を膨らませる事によって、外気を口や鼻を通じて取り入れる事が出来ます。

人の原動力が口にないことは、口の活動に余裕を持たせ、そのことによって咀嚼や発音という全く異なった目的に口の筋肉が用いられる事になったと考えられます。

人の発達した肺呼吸活動は、呼吸する空気の流れの速度や圧力などの微細な調節まで容易にしました。

参考文献 のどちんこの話 松矢篤三 古郷幹彦著 医歯薬出版

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