歯医者との相性も大切
毎日、患者さんの悩みを聞いて、励ましつつ治療を行っているつもりですが、やはり、患者さんとの相性が残念なだら存在します。
説明をしたと思っても、説明不足だと感じる患者さんもいらっしゃいましたし、「説明なんか良いから早くやれ!」という患者さんもいました。
求めているベクトルが歯科医師と患者さんであわないとなかなかうまくいかない事が多いみたいです。
もちろん、私が相性がとても良いと思っても、患者さんが、「この歯医者は駄目だな」と思ってしまう事も多いと思います。
今日は、そのあたりの事がある本に書いてありました。審美歯科に関する本なのですが、それを頭に置いて読んでください。
歯科医師との相性も大事
審美歯科を受ける場合、患者さんの目標が明確で、そのための治療法について十分理解があり、かつその治療をどうしても受けたいという意思があること。これがとても大切な条件であることは、これまでの説明で理解していただけたと思います。
その上でどこでその治療を受けるか、すなわちいかに歯科医師を選ぶかという問題が出てきます。
歯科医師を選ぶにあたって、その技術的なレベルを問うのは当然の事です。審美治療の場合、歯科医師の技術だけでなく、審美という主観の関与が大きい領域では仕上がりの差がさらに大きくなる可能性があるからです。
けれども、「イヤな奴だが、技術が優れているので我慢する」というのは感心しません。
技術的な面をクリアしているのはもちろん不可欠の条件ですが、その上で医師の人間性に対して「好き嫌い」をいっても、いっこうに構わないと私は思っています。むしろそれを重視すべきではないでしょうか。
審美治療に限らず、歯科治療は治療後のメンテナンスが重要です。ですから治療はそのとき限りではなく、歯科医師とは「長いつきあい」で考えるべきです。
普通の人間関係でも、「嫌いな人間」と長く付き合うのには相当の努力を要しますし、ストレスもかかります。相手はまして、自分の口を預ける歯科医師です。
またご承知のとおり、歯科治療では至近距離で歯科医師と患者さんが接しています。そういう位置関係で治療を受ける以上、患者さんは歯科医師に対してもっと好き嫌いをいっても良いのではないでしょうか。
審美治療は、歯科医師の力だけではなく、患者さんの協力があって初めて成り立つものです。インテグレーション(著者の先生は、シェイプインテグレーションという治療法を提唱しています)つまり積み重ねという言葉からも、少しずつ形を修正し、構築していく治療です。
患者さんの「なりたい形」を作り上げるには、患者さんと歯科医師が協力しあわなければ達成出来るものではないからです。
また歯科治療は、其れを受ける側にとっても楽なものではありません。しかしそれを乗り越えたとき、必ず「やってよかった」という結果が待っています。
ですから私から患者さんに強くお願いしたいのは、結果のために治療を楽しむくらいの余裕と、最後までやり通す強い意志をもって頂きたいということです。そのためにも、共に協力しあう歯科医師選びは慎重にしていただきたいと思います。
参考文献 歯の審美治療入門 河野陽一著 夏目書房
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