寝ているときの口の中は?3
昨日の続きです。
今日は、「いびき」です。
いびきとは、呼吸時に空気が出入りする上記道、とくに鼻腔から咽頭までは軟組織で構成されており、その周囲には上気道を開大する筋であるオトガイ舌骨筋、口蓋筋、咽頭括約筋など多数の筋が存在します。
睡眠時はこれらの筋活動も低下しますが、安静呼吸の維持に必要最低限の筋活動は保持されています。
しかし、この筋緊張は舌根沈下をもたらし、上気道を構成する軟組織同士の距離を減少させます。
このとき、前後方向の距離だけでなく、咽頭腔径も縮小しています。この状態で、呼吸に伴い空気が上気道を通過すると、軟口蓋、口蓋垂(のどちんこ)、舌根部の軟組織による振動音が生じ、これがいびきとなります。
いびきが生じている時には、呼吸の際に上気道を出入りする空気の抵抗が増大します。その結果、安静睡眠時の呼吸に比べ、努力して呼吸することが必要となり、そのため覚醒を生じ、安定した睡眠が分断され、睡眠の質を低下させる事もしばしば起こります。
慢性的にいびきをかくひとでも、いびきの強さや回数は日によって変動し、普段いびきをかかない人でも時にはいびきをかく時があります。このような個体間差・個体内差は、上気道の形態や呼吸流量に影響を与える様々な要因によって生じます。
形態的には、軟口蓋肥大、小顎症、巨舌症、扁桃・アデノイド肥大、咽頭周囲への脂肪蓄積などが挙げられます。
また、上気道粘膜の潤滑性も粘膜の振動を左右します。
機能的には、ベンゾジアゼピンなどの筋を弛緩させる薬物の服用や飲酒、舌根が沈下しやすい仰臥位での睡眠が考えられます。
また、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などによる鼻閉があると、呼吸時の上気道空隙に過大な陰圧がかかり、上気道の軟組織が引き寄せられていびきが生じやすくなります。
この3日間を通しての参考文献 口腔の生理から?を解く デンタルダイヤモンド社
5年位前、母が生きているころ、
「昨夜はいびきをかいていたわよ」と、言われる事が
たまにありましたが、今 私はいびきをかいているのだろうか。