そんなに対抗意識持たなくてもいいですって(笑)
歯にとって一番悪いのは、前噛みといって、奥歯を使わずに前歯だけで食事をしてしまう事だと思います。
奥歯は食物の剪断や、すり潰し(臼摩運動)を行う為に、四方八方から力を受けても大丈夫なように歯根が2本以上あります。しかし、前歯から小臼歯までは、根が単根なのです。
そのため、奥歯のような臼摩運動などを行うと、たちまち歯根膜という歯を支えるバネが断裂してしまい、歯の動揺(グラグラと揺れてくる)が始まります。
だから、奥歯を失ってしまい前歯しかない患者さんは、入れ歯でもインプラントでも何でも良いので、とにかく奥歯で食事を噛める状態にする事がとても大切なのです。
で、今回登場する患者さんのAさん。とても良い患者さんでもう10年以上の付き合い(笑)。
もう、10年以上の付き合いだと家族っぽくなってくるんです(笑)。遠い親戚みたいな感じ。
だから、何でも言い合える(苦笑)。
そのAさんもやはり奥歯が無くて、前噛みの癖をお持ち。だから、前歯がしばしば腫れて腫脹を起こすのです。前噛みの患者さんの特徴としては入れ歯が生理的に合わないのですよね。だから、悪いと分かっていていも入れ歯を使わずに、前噛みになってしまう。
で、奥歯での咀嚼の重要性をしっかり理解してもらい、入れ歯を作らせて貰いました。
で、入れ歯を使わないで就寝する際はマウスピースを入れて、前歯を歯ぎしりから守りましょうって説明しました。
すると、Aさん。
「私歯ぎしりしないから」
私:「歯ぎしりしない人なんていないから」
Aさん:「自分で歯ぎしりした所なんて感じた事ないし」
私:「寝ている時、特に熟睡した時に歯ぎしりするのですよ」
Aさん:「私、熟睡しないもの」
私:「Aさん、そんなに対抗意識持たなくてもいいですって。歯医者の言うこと聞いて、マウスピース入れてね(笑)」
付き合いが長くなり、家族の様な会話がたまにAさんとの間では繰り広げられます。
楽しいひととき(笑)。
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